発信者情報開示請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 原告は、「B」の筆名でビジネスにおけるSNSの利用方法についての情報を発信している者である。原告は、令和4年6月4日、SNSであるインスタグラム上の自らのアカウントにおいて、自ら作成した書籍紹介に関する文章(以下「原告文章」という。)を投稿した。 氏名不詳者は、被告(Twitter, Inc.)が管理運営するSNSであるツイッター上のアカウントにおいて、原告文章をスクリーンショットの方法により複写して作成した画像を掲載するツイート(以下「本件ツイート」という。)を投稿した。 本件は、原告が、本件ツイートの投稿により原告文章に係る著作権(複製権及び公衆送信権)が侵害されたことが明らかであるとして、プロバイダ責任制限法5条1項に基づき、被告に対し、上記氏名不詳者の電話番号の開示を求めた事案である。 【争点】 (1) 本件ツイートの投稿により原告の権利が侵害されたことが明らかであるか (2) 原告が発信者情報の開示を受けるべき正当な理由を有するか 【判旨】 請求認容。 争点(1)について、裁判所は、原告文章は原告の思想又は感情を創作的に表現したものであり、文芸等の範囲に属するものであるから、「言語の著作物」(著作権法10条1項1号)に該当し、原告はその著作者であると認定した。そして、氏名不詳者が原告文章をスクリーンショットの方法により複写して画像を作成し、これをツイッター上に投稿したことにより、被告が管理するサーバ上に原告文章を再製し、かつ公衆によって直接受信されることを目的として送信したものであるから、原告の複製権及び公衆送信権を侵害したと認めるのが相当であるとした。また、違法性阻却事由の存在は全くうかがわれないとして、原告の著作権侵害が明らかであると判断した。 争点(2)について、原告は氏名不詳者に対して損害賠償請求をする予定であり、そのためには被告が保有する発信者情報の開示を受ける必要があると認め、正当な理由があると判断した。