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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ1928
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2023年1月20日

AI概要

【事案の概要】 被告が開設する小牧市民病院において、腹部大動脈瘤の最大短径が51mmに拡張した患者d(当時66歳)が、腹部大動脈人工血管置換術(Y型ステントグラフト術)を受けた。本件手術中、dの左総腸骨動脈が全周性に強く石灰化していたため吻合不可能と判断され、離断部は二重連続縫合により閉鎖された。手術後、dはHCUに帰室したが、継続的な腰痛の訴え、腹部膨満所見が認められ、午後4時頃から動脈圧が70〜80mmHgに低下し、午後4時30分頃には動脈圧が40mmHg台、末梢圧も70mmHg台まで低下した。しかし、担当看護師は動脈圧の低下をAラインの不具合と判断して医師に報告せず、執刀医も別の手術中であったため、午後5時11分にICUを訪室して初めて術後出血の可能性を疑い、午後5時53分から開腹止血術を開始したものの、午後6時48分にdの死亡が確認された。病理解剖の結果、死因は左総腸骨動脈結紮部からの出血による出血性ショック(失血死)であった。dの相続人である原告ら(妻及び子2名)が、被告病院の医師らには術後管理に関する過失があったと主張し、使用者責任に基づく損害賠償を求めた事案である。 【争点】 1. 術後管理についての注意義務違反の有無(午後4時頃の時点〔主位的主張〕及び午後4時30分頃の時点〔予備的主張〕) 2. 注意義務違反とdの死亡との因果関係 3. 損害額 【判旨】 裁判所は、午後4時頃の時点については、動脈圧は94mmHgから低下したものの末梢圧は90mmHg台を維持し、心拍数65回/分・呼吸数16回/分と出血性ショックの基準を満たしておらず、硬膜外麻酔による末梢血管拡張も血圧低下の原因として考えられたことから、輸液投与による経過観察を選択したことに注意義務違反は認められないとした(主位的主張を排斥)。 他方、午後4時30分頃の時点については、動脈圧が40mmHg台まで低下し、Aライン刺入部の調整後も60mmHg台にとどまり、それまで90mmHg台であった末梢圧も70mmHg台まで低下していたこと、この血圧低下は執刀医自身の指示(動脈圧80〜120mmHgで管理)から大きく逸脱していたこと、輸液開始後も血圧低下傾向が続いていたこと、せん妄の発症が低血圧との関連で意識障害にも該当し得ることなどを総合し、同時点で大量出血の可能性を疑い、腹部CT検査や腹部超音波検査を実施して速やかに開腹止血術を実施すべき注意義務があったと認定した(予備的主張を採用)。因果関係についても、午後4時30分頃に検査・開腹止血術を実施していればdを救命できた高度の蓋然性があるとした。損害額として、逸失利益1786万円、死亡慰謝料2300万円、葬儀費用150万円等を認め、原告a(妻)に2139万6622円、原告b及び原告c(子)に各1159万円の支払を命じた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。