暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反、恐喝未遂被告事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、指定暴力団の暴力団員である被告人が、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴力団対策法)に違反する暴力的要求行為を行い、都道府県公安委員会から再発防止命令(同法11条2項)を受けたにもかかわらず、同命令に違反して恐喝未遂に及んだとして、暴力団対策法違反及び恐喝未遂の罪で起訴された事案である。被告人は第一審で有罪判決を受け、控訴審でも控訴が棄却されたため、最高裁判所に上告した。 【争点】 弁護人は、暴力団対策法11条2項及び46条1号(再発防止命令違反に対する罰則)が、指定暴力団員のみを対象とする規制であることから、憲法14条1項(法の下の平等)に違反すると主張した。また、同規定が憲法21条1項(結社の自由)に違反するとも主張した。さらに、量刑不当も上告理由として主張された。 【判旨(量刑)】 最高裁第一小法廷は、裁判官全員一致の意見で上告を棄却した。 まず、憲法14条1項違反の主張について、暴力団対策法の目的は暴力団員の暴力的要求行為等を規制することにより市民生活の安全と平穏の確保を図ることにあり、この目的は正当であるとした。そして、指定暴力団員が暴力的要求行為をした場合に公安委員会が再発防止命令を発し、その命令違反に刑罰を科するという規制の仕組みは、前記目的を達成するために必要かつ合理的なものであり、指定暴力団員について合理的な理由のない差別をするものとはいえないと判示し、同規定は憲法14条1項に違反しないと結論づけた。 次に、憲法21条1項違反の主張については、暴力団対策法11条2項及び46条1号は結社の自由それ自体を規制するものではないから、主張は前提を欠くとして退けた。その余の量刑不当の主張及び被告人本人の上告趣意についても、いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらないとした。未決勾留日数中110日が本刑に算入された。