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行政

所得税更正処分等取消請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和4行コ180
事件名
所得税更正処分等取消請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2023年1月25日
裁判官
中村也寸志武藤貴明餘多分亜紀

AI概要

【事案の概要】 不動産貸付業を営む個人事業者である控訴人(原告)は、平成28年分の所得税等の確定申告(青色申告)において、不動産所得の消費税等の経理処理につき税抜経理方式を採用していた。控訴人は、不動産貸付業の用に供していた建物を譲渡した際、当該譲渡収入に係る消費税等相当額を仮受消費税等の額に加算せず、不動産所得に係る仮受消費税等と仮払消費税等の差額を納付すべき消費税等の額から控除した残額(1664万5166円)を、不動産所得の必要経費に算入する方法(原告計算方法)により申告した。 これに対し、処分行政庁(A税務署長)は、譲渡所得の基因となる資産の譲渡に係る消費税等の経理処理は、当該資産をその用に供していた不動産所得と同一の経理方式(税抜経理方式)によるべきであるとする通達の注書き(本件注書き)を適用し、建物譲渡収入に係る消費税等相当額は仮受消費税等に加算すべきであるとして、所得税等の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を行った。控訴人はこれらの処分の取消しを求めて提訴したが、原審(東京地裁)が請求を棄却したため、控訴した。 本件の背景には、平成16年の税制改正により土地・建物等の譲渡所得の赤字と他の所得との損益通算が禁止されたことがある。改正前は、税込経理方式と税抜経理方式のいずれを採用しても最終的な課税所得は同額となっていたが、改正後は、分離課税の譲渡所得が赤字の場合に経理方式の選択によって不動産所得の金額に差異が生じるようになった。 【争点】 (1) 本件各建物譲渡に係る消費税等の経理処理について、税込経理方式と税抜経理方式のいずれが適用されるか(本件注書きの適用の有無及び可否) (2) 更正処分の理由附記に違法があるか 【判旨】 控訴棄却。 争点(1)につき、裁判所は、控訴人が本件確定申告に係る譲渡所得の計算において建物譲渡代金の消費税等相当額を含めない税抜価額で収入金額を算定していたこと、税務調査時に控訴人の委任した税理士が税抜経理方式を選択したことを認めていたことから、本件確定申告において税抜経理方式を採用していたことは明らかであると認定した。 その上で、事業所得等を生ずべき業務の用に供している資産の譲渡は、当該事業に付随する取引として同一の事業の範囲に含まれるから、同一所得区分内と同様に会計処理の方法を統一することにより、収入若しくは費用の内容又はその対応関係に混乱が生じることを防ぐ必要性が認められるとして、本件注書き及び本件通達12項は、所得税法の規定及び消費税法の基本的な仕組みに照らし合理的であると判断した。 控訴人が主張する消費税の中立性原則違反については、経理方式の選択により所得金額に差異が生じることは当然に想定されており、直ちに消費税法の趣旨に反するとはいえないとした。租税公平主義違反の主張についても、経理方式の適用が納税者の選択に委ねられている以上、選択の結果として生じる差異は公平に反しないと判断した。平成16年の税制改正後に不均衡が生じる点については、改正目的自体は正当であり、また継続性の原則の下でも正当な理由があれば会計処理方式を変更できるから、本件注書きが違法な経理方式の変更を強いるものとはいえないとした。 争点(2)の理由附記の違法についても、原審の判断を維持し、違法はないと結論付けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。