不正競争行為差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 特定非営利活動法人日本綜合医学会(原告)が、一般社団法人日本綜合医学会(被告)に対し、「日本綜合医学会」の標章について原告の商品等表示として周知・著名であり、また商標権を有すると主張して、①被告が「一般社団法人日本綜合医学会」等の名称を事業活動に使用することの差止め及び設立登記の抹消、②被告が同名称を題号とする出版物を頒布することの差止め及び廃棄、③被告が「nihonsogoigakukai.com」等のドメイン名を使用することの差止め及び抹消登録、④弁護士費用相当損害金100万円の支払を求めた事案である。被告は、原告の元理事長Aが理事長辞任後に設立した法人であり、原告と基本的に同一の設立目的を有していた。 【争点】 (1)「日本綜合医学会」が原告の商品等表示として周知・著名であるか、(2)被告の名称使用・出版物頒布が原告の商標権を侵害するか、(3)被告のドメイン名使用が不正競争防止法2条1項19号の不正競争行為に当たるか。 【判旨】 請求一部認容。裁判所は、まず「日本綜合医学会」が原告の商品等表示に当たると認めたものの、原告の会員数が約500名であること等に照らし、医療関係・健康関連・自然食関連等の分野の需要者において周知又は著名であるとは認められないと判断し、不正競争防止法2条1項1号・2号に基づく請求をいずれも退けた。商標権侵害については、被告の出版物の表紙において「日本綜合医学会」が48ポイント、「一般社団法人」が14ポイントと相当小さく記載されている使用態様に照らし、本件商標と被告標章は類似すると認定し、刊行物への「日本綜合医学会」標章の使用差止め、出版物の頒布差止め及び廃棄を認容した。ドメイン名については、「nihonsogoigakukai」が「日本綜合医学会」のローマ字表記であり呼称・観念において一致すること、被告が原告の元理事長により設立され原告と同一の設立目的を有すること等から、被告には原告のウェブページであると誤信させる不正の利益を得る目的があると認め、不正競争防止法2条1項19号の不正競争行為に該当するとして、同ドメイン名の使用差止め及び抹消登録を認容した。損害賠償については弁護士費用として20万円を相当と認めた。他方、被告の設立登記の抹消や名称使用の全面的差止めは認めなかった。