AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社CHANCE-LAND)は、「HEAVEN」の文字を標準文字で表してなる商標について、第43類に属する役務(ホストクラブにおける飲食物の提供等を含む)を指定役務として商標登録出願をしたところ、特許庁から、先行登録商標「インドカレーヘブン/Heaven」(インド人がカレーとナンを持つ図形と文字の結合商標。指定役務は第43類「インドカレー・インド料理の提供」)と類似するとして拒絶査定を受けた。原告は拒絶査定不服審判を請求したが、審判でも請求不成立の審決がされたため、その取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した。 【争点】 本願商標「HEAVEN」と引用商標「インドカレーヘブン/Heaven」(図形との結合商標)が商標法4条1項11号にいう類似の商標に当たるか、また、本願商標の指定役務である「ホストクラブにおける飲食物の提供」と引用商標の指定役務である「インドカレー・インド料理の提供」が類似の役務に当たるかが争われた。原告は、ホストクラブとインドカレー店では需要者、価格帯、店舗外観、規制法、宣伝手法等が全く異なり、役務は非類似であると主張した。また、引用商標は図形部分が最も顕著であり、「Heaven」部分のみを要部として抽出すべきではないとも主張した。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、まず役務の類似性について、本願商標の指定役務はホストクラブにおける「飲食物の提供」の面から検討すべきであるとし、両役務は飲食物を提供する点で共通し、提供手段・目的、関連物品(食材・食器等)、需要者(飲食の提供を受ける女性)、業種(日本標準産業分類上の「飲食サービス業」)、規制法(食品衛生法等)がいずれも共通すると認定した。また、ホストクラブ経営者がインドカレー店等を運営する事例もあることから、同一営業主の提供に係る役務と誤認されるおそれがあるとして、役務は類似すると判断した。商標の類似性については、引用商標の構成中「Heaven」の文字部分は大きく強調して表示されており、自他役務の識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから、同部分を要部として抽出できるとした。本願商標「HEAVEN」と引用商標の要部「Heaven」は、つづりが同一で称呼「ヘブン」及び観念「天国」を共通にするから、類似の商標であると結論づけ、本件審決に違法はないとした。