発信者情報開示請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、原告(私人)が、Instagram上で氏名不詳者が原告の撮影した写真(原告自身が被写体)を無断で複製し、アカウント「B」のプロフィール画像として投稿したことについて、原告の著作権(複製権・公衆送信権)及び肖像権が侵害されたと主張し、Instagramを管理・運営する被告(メタ プラットフォームズ インク)に対し、プロバイダ責任制限法5条1項に基づき、当該発信者の氏名又は名称、電子メールアドレス及び電話番号の開示を求めた発信者情報開示請求事件である。被告はアメリカ合衆国に主たる事務所を有する外国法人であり、管轄の有無も争点となった。 【争点】 1. 本件訴えの管轄が東京地方裁判所にあるか 2. 原告の被告に対する発信者情報開示請求権の存否(著作権侵害の明白性及び開示を受ける正当理由の有無) 【判旨】 裁判所は、原告の請求を認容した。 争点1(管轄)について、被告は日本に居住する利用者に日本語でInstagramサービスを提供しており、日本において継続的に事業を行っていると認められるから、民訴法3条の3第5号の「日本において事業を行う者」に該当するとした。また、日本から本件アカウントにアクセスして本件投稿画像を閲覧可能であることから、本件訴えは被告の「日本における業務に関するもの」に該当するとした。さらに、被告が日本国内に主たる事務所・営業所を有せず、日本における主たる業務担当者も不明であることから、民訴法10条の2及び民訴規則6条の2により、東京地方裁判所に管轄があると判断した。 争点2(開示請求権の存否)について、本件投稿者が原告の著作物である本件画像を複製した投稿画像をInstagramのプロフィール画像としてアップロードした行為は、本件画像を有形的に再製し、公衆からの求めに応じ自動的に送信し得る状態にしたものであるから、原告の複製権及び公衆送信権を侵害したと認定した。違法性阻却事由も認められないことから、権利侵害の明白性を肯定し、原告が本件投稿者に対する損害賠償請求権を行使するために発信者情報の開示を受ける必要があると認め、正当理由も認めた。