AI概要
【事案の概要】 本件は、発明の名称を「ホームページ統合サービス提供システム及び方法」とする特許(特許第5096619号)の特許権者である原告(韓国法人ネオパット インコーポレーション)が、被告(Wix.com Japan株式会社)に対し、被告が提供するクラウドベースのホームページ作成サービス(Wixサービス)のWebプラットフォーム及びその提供方法が本件特許の請求項1及び請求項21記載の各発明の技術的範囲に属するとして、主位的には被告自身がサービスの提供主体であるとして、予備的には被告の親会社であるイスラエル法人Wix.com Ltd.との共同不法行為又は幇助として、損害賠償金1000万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。原告は相当実施料率5%を前提に約6億6000万円の損害を主張し、その一部請求として本訴を提起した。 【争点】 (1) 被告がWixサービスの提供主体といえるか(争点1) (2) 被告と親会社との間に関連共同性が認められるか、又は被告の行為が幇助に当たるか(争点2) (3) 被告のシステム等が本件各発明の構成要件を充足するか(争点3) (4) 原告の損害額(争点4) 【判旨】 裁判所は、争点1及び争点2についていずれも原告の主張を排斥し、請求を棄却した。 争点1について、裁判所は、Wixサービスは被告設立(平成31年)の相当以前から親会社により日本を含む全世界で提供されていたこと、被告の登記簿上の事業目的はインターネット・サービス会社へのカスタマーサポート等に限定されホームページ作成サービスの提供は含まれていないこと、被告設立後も親会社が日本企業と業務提携契約を締結していたこと、ウェブサイトの著作権表示が被告ではなく米国法人名義であること等を認定し、被告はサービスの提供主体ではなくマーケティングやカスタマーサポートを業務とするにとどまると判断した。原告が指摘するWix利用規約の記載やインタビュー記事等についても、被告の提供主体性を基礎づけるものではないとした。 争点2について、裁判所は、被告の業務内容はプレスリリースの作成、市場調査、カスタマーサポート窓口の対応等の間接的・周辺的なサービスにとどまり、サービス提供それ自体を直接担うものではなく、親会社が被告設立前から日本でサービスを提供していたことからも被告の関与は必要不可欠とはいえないとして、共同不法行為の関連共同性も幇助も認められないと判断した。その結果、構成要件充足性及び損害額の争点について判断するまでもなく、原告の請求には理由がないとして棄却した。