都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3098 件の口コミ
下級裁

原爆被爆二世国家賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ170
事件名
原爆被爆二世国家賠償請求事件
裁判所
広島地方裁判所
裁判年月日
2023年2月7日
裁判種別・結果
棄却

AI概要

【事案の概要】 本件は、広島市に投下された原子爆弾により被爆した被爆者援護法1条所定の「被爆者」の子(親の被爆時に胎児であった者を除く「被爆二世」)である原告らが、被告(国)に対し、被爆二世は原爆による放射線被害の遺伝的影響と考えられる疾病への罹患可能性や健康不安に苛まれており、被爆者等と同等の援護を受ける権利が憲法13条により保障され、また被爆者等との差別的取扱いは憲法14条1項に違反するとして、国には被爆二世を援護対象に含める立法を行う義務があるにもかかわらずこれを怠った(立法不作為)と主張し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料各10万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。原告らは3つの事件に分かれて提訴し、いずれも被爆二世を被爆者援護法の援護対象とする立法措置を講じない立法不作為の違法を主張した。 【争点】 主な争点は、(1)被爆二世を援護対象に含める立法義務の有無、(2)当該立法不作為が国賠法1条1項の適用上違法であるか、具体的には立法不作為が憲法13条に違反するか、及び被爆者・みなし被爆者と被爆二世との取扱いの差異が憲法14条1項に違反するかである。原告らは、放射線の遺伝的影響が否定できない以上、被爆二世にも援護を求める権利が憲法上保障されると主張した。被告は、戦争損害に対する措置は国会の裁量的権限に委ねられており、現在の科学的知見では親の放射線被曝による被爆二世への健康影響は確認されていないと反論した。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、まず認定事実として、ヒトにおいて親の放射線被曝が次世代に影響を及ぼす可能性自体は否定できないとしつつも、放射線影響研究所の長年の調査研究において遺伝的影響は確認されておらず、UNSCEARの報告でも遺伝的影響は明白に確認されていないとの結論が示されていることを認定した。憲法13条違反の主張については、戦争損害に対する補償や援護は憲法が予想しないところであり、その要否及び在り方は国会の裁量的権限に委ねられるとして、被爆二世が健康不安に対する措置を国に求める権利が憲法13条により保障されているとはいえないと判断した。憲法14条1項違反の主張については、被爆者援護法の「被爆者」は原爆放射線に直接被曝した可能性のある者を対象としており、その「可能性」の実質は「健康被害が生じることが科学的に裏付けられた直接被爆をした可能性」であるのに対し、被爆二世の「可能性」は「放射線の遺伝的影響による健康被害の発生が科学的に承認も否定もされていないという意味での可能性」にとどまり、両者の背景にある科学的知見の有無や精度には質的に大きな差異があるとして、被爆者及びみなし被爆者と被爆二世との取扱いの差異はいずれも不合理な差別には当たらないと判断し、立法不作為は国賠法1条1項の適用上違法とはいえないと結論付けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。