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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和4行ケ10011
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2023年2月15日
裁判官
東海林保中平健都野道紀

AI概要

【事案の概要】 原告(米国法人アンバチュア5インコーポレイテッド)は、「非常に低い抵抗材料で形成された、電気的デバイス、機械的デバイス、コンピュータデバイス、および/または、他のデバイス」と題する発明について特許出願をしたが、拒絶査定を受けたため、拒絶査定不服審判を請求した。特許庁は、本願の明細書の記載が実施可能要件(特許法36条4項1号)、サポート要件(同条6項1号)及び明確性要件(同条6項2号)のいずれも満たさないとして、審判請求不成立の審決をした。本願各発明は、非常に低い抵抗(ELR)材料の第1層と変更する材料の第2層とからなる第1導体及び第2導体の間にバリア材料を配置したジョセフソン接合に関するものであり、従来の高温超伝導(HTS)材料よりも高い温度で動作するジョセフソン接合の実現を目的としていた。原告は本件審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した。 【争点】 主な争点は、(1)実施可能要件の適合性に関する審決の判断の誤りの有無(取消事由1)、(2)サポート要件の適合性に関する判断の誤りの有無(取消事由2)、(3)明確性要件の適合性に関する判断の誤りの有無(取消事由3)である。特に、本願明細書に、導体が超伝導状態(抵抗値ゼロ)にあることやジョセフソン効果による電流が流れることが十分に記載されているかが中核的な争点であった。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。まず、ジョセフソン接合とは二つの超伝導体(抵抗値がゼロの状態の導体)を弱く結合し、電子対がトンネル効果により結合部を通過する現象(ジョセフソン効果)が生じるようにした接合であることが出願時の技術常識であると認定した。その上で、本願明細書の試験結果(図14Aないし21B)はいずれも抵抗値の下限がゼロとされておらず、導体の抵抗値がゼロになったことを読み取れないことから、第1導体及び第2導体が超伝導状態にあることが示されているとはいえないと判断した。また、バリア材料にジョセフソン電流が流れることを示す試験結果も記載されていないとした。原告は、本願発明は抵抗値をゼロにしなくとも極めて低い抵抗値の範囲内でジョセフソン接合を実現する発明であると主張したが、裁判所は、そのような技術常識に反する現象が生じ得ることを裏付ける試験結果が明細書に記載されていない以上、当業者が本願各発明を実施できると認識するものではないと判断した。結論として、実施可能要件違反を認め、その余の争点について判断するまでもなく審決に誤りはないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。