発信者情報開示請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社Link Life)は、「Broad WiMAX」の登録商標(第5470642号、第38類・電気通信等の役務)を有するインターネット関連企業である。氏名不詳者(本件発信者)が、Google検索上のリスティング広告において、原告の登録商標と類似する「BroadWiMax」という標章を使用し、原告とは無関係の通信機器貸与サービスのウェブサイトへ誘導する広告を掲載した。原告は、この広告が商標権侵害に当たるとして、Googleからログイン時のIPアドレス等の開示を受け、当該IPアドレスに係る経由プロバイダであるKDDI株式会社(被告)に対し、プロバイダ責任制限法5条2項に基づき、発信者の氏名・住所・電話番号・メールアドレスの開示を求めた。被告は、本件商標と本件標章の外観が異なるとして商標の類似性を争った。 【争点】 本件商標「Broad WiMAX」(水色の「Broad」と青色の「WiMAX」を二段で横書き)と、本件標章「BroadWiMax」(黒色ないし深紫で一段横書き)が類似するか否かが争われた。被告は、文字の段数、色、フォント、大文字・小文字の違い(「MAX」と「Max」)から外観が明らかに異なると主張した。これに対し原告は、同一のアルファベットの並びから成り、称呼(ブロードワイマックス)及び観念(速いWiMAX通信)が同一であるから類似すると主張した。 【判旨】 裁判所は、本件商標と本件標章は、文字の段数、色、フォント、大文字・小文字の一部に相違があるものの、同一のアルファベットを並べたものであり、外観において類似すると認定した。加えて、称呼はいずれも「ブロードワイマックス」で同一であり、観念も「速いWiMAX通信」で同一であることは明らかであるとした。これらの事情を総合的に考察し、両者が電気通信に関する指定役務で使用された場合には、役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるとして、本件商標と本件標章は類似すると判断した。その上で、本件投稿による原告の商標権侵害が明らかであり、原告には発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとして、原告の請求を全部認容し、被告に発信者情報の開示を命じた。