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行政

還付金(過誤納金)返還請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和4行コ72
事件名
還付金(過誤納金)返還請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2023年2月16日
裁判官
矢尾和子藤井聖悟三輪恭子

AI概要

【事案の概要】 ルクセンブルクに本店を有する外国法人(被控訴人)が、その完全子会社である内国法人2社が行った会社分割(非適格分割型分割)に伴い、みなし配当が生じたとして、20.42%の税率で所得税等を源泉徴収して納付した。被控訴人は、日本・ルクセンブルク租税条約10条2項(a)の要件を満たすため、限度税率5%が適用されるべきであり、当初納付額は過大であったと主張して、国(控訴人)に対し、還付金合計約13億9448万円及び還付加算金の支払を求めた。原審(東京地裁)は被控訴人の請求を全部認容し、国が控訴した。 本件の核心は、租税条約10条2項(a)が定める保有期間要件における「the accounting period for which the distribution of profits takes place」(本件文言)の解釈である。この文言の終了日を起算点として、その前6か月間の継続的な持分保有が軽減税率適用の要件とされている。 【争点】 国(控訴人)は、本件文言は「利得の分配の受領者が特定される日」を意味すると主張した。その根拠として、(1)租税条約3条2項の「文脈」はウィーン条約31条1項の「文脈」より広く解すべきである、(2)非適格分割型分割によるみなし配当には対応する会計期間が存在しないから「文脈により別に解釈すべき場合」に該当する、(3)保有期間要件の趣旨は直接投資の促進にあり、配当に結びつく投資期間における持分保有を求めるものである、(4)「the accounting period」は「事業年度」ではなく法人税法上の「計算期間」と訳すべきである、と主張した。 これに対し被控訴人は、本件文言は政府訳文どおり「利得の分配に係る事業年度の終了の日」を意味し、みなし配当が生じた事業年度の終了日が起算点となると主張した。 【判旨】 東京高裁は、原審の判断を維持し、控訴を棄却した。 まず、租税条約3条2項の「文脈」とウィーン条約31条1項の「文脈」を別異に解すべき根拠は明らかでないとして、国の主張を退けた。 次に、租税条約10条3項は「配当」を包括的に定義しており、モデル条約のコメンタリーも配当の概念を締約国の国内法令から独立して定義することは不可能とし、当期の利得から支払われたか過去の事業年度の利得から支払われたかは重要でないとしていることから、みなし配当に対応する会計年度が存在しないことを理由に文言に拘泥しない解釈を求める国の主張は採用できないとした。 さらに、保有期間要件の趣旨についても、モデル条約は保有期間要件の具体的内容を締約国の選択に委ね、2017年改訂版では配当支払日を含む365日間の保有を求める規定例を示しており、配当支払日に先立つ期間の継続保有を必須としていないことから、国の主張は前提を欠くとした。また、「the accounting period」を国内法の「計算期間」と訳すべきとの主張についても、文脈による解釈を主張しながら国内法の用語で解釈を行う点で矛盾があるとして退けた。 以上により、本件文言は「利得の分配に係る会計期間(事業年度)の終了の日」を意味すると解するのが相当であり、被控訴人は保有期間要件を充足するとして、約13億9448万円の還付請求を認容した原判決は相当であると判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。