法人税等更正処分等取消請求事件、更正をすべき理|由がない旨の通知処分取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 原告は、B寺伝承の文化等を興隆する事業を行うことを目的とする一般財団法人であり、整備法に基づき特例民法法人(公益法人等)から一般財団法人(普通法人)へ移行した法人である。原告は、移行前に非収益事業に属する資産として保有していた有価証券の移行前取得価額を譲渡原価として法人税等の確定申告をしたところ、処分行政庁から、移行前に計上した評価損反映後の帳簿価額(処理後価額)を譲渡原価とすべきであるとして更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けた。また、原告が移行前に非収益事業に属する減価償却資産について計上した過年度減価償却費を踏まえた減価償却額の計上の誤りを理由とする更正の請求についても、更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けた。本件は、原告がこれら各処分の取消しを求めた事案である。 【争点】 ①有価証券の譲渡原価の算定における施行令119条の2第1項1号の「取得」に、公益法人等が非収益事業に属する資産として有価証券を取得する場合が含まれるか、②施行令131条の6が施行令119条の2第1項1号等の適用を排除する特則を定めたものか、③法人税法31条4項の「所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額」に、公益法人等が移行前に非収益事業に属する減価償却資産について計上した減価償却費が含まれるか。 【判旨】 裁判所は、租税法律主義の原則に照らし、租税法規はみだりに規定の文言を離れて解釈すべきではないとした上で、争点①について、施行令119条の2第1項1号の「取得」の文言上、公益法人等が非収益事業に属する資産として有価証券を取得する場合を除外すべき根拠は見当たらないとした。被告は、原告の解釈によれば移行前の評価損の額相当額につき二重の所得減少が生じると主張したが、裁判所は、本件では累積所得金額の控除等の仕組みにより二重の所得減少は生じないと判断した。争点②について、施行令131条の6は移行時資産等の帳簿価額を定める規定にすぎず、施行令119条の2第1項1号の適用を排除する特則と解することは困難であるとした。争点③について、法人税法上「所得」は収益事業から生じた所得以外のものも含むことは明らかであり、非収益事業に属する減価償却資産について損金に算入されなかった減価償却費も同項の「損金の額に算入されなかつた金額」に該当するとした。以上から、本件各更正処分等及び各賦課決定処分は違法であるとして、原告の請求を全部認容した。