特許権侵害差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、「洗濯用洗浄補助用品及びこれを用いた洗濯方法」に関する特許権(特許第5312663号)を有する原告(マグネシウム製品の製造販売会社)が、被告(マグネシウム粒の販売会社)に対し、被告が「HappyMag」の品名で販売する金属マグネシウム粒子(被告製品)の製造・販売・販売の申出が、本件特許権の間接侵害(特許法101条2号)に当たるとして、差止めを求めた事案である。原告は「洗たくマグちゃん」の名称で本件特許の実施品を販売し、令和2年5月までに少なくとも500万個を販売していた。被告は、金属マグネシウム粒子そのものを販売し、購入者に洗濯ネットに封入させて洗濯用洗浄補助用品を生産させていた。 【争点】 ①被告製品の販売等による間接侵害(特許法101条2号)の成否(被告製品が「課題の解決に不可欠なもの」に該当するか、「日本国内において広く一般に流通しているもの」に該当するか、主観的要件を充足するか)、②差止めの必要性の有無。 【判旨】 裁判所は、被告製品の販売及び販売の申出の差止請求を認容し、製造の差止請求を棄却した。まず、被告製品の商品パッケージの「WASH」の記載やAmazon販売ページの「DIY」「【洗濯に】」等の記載から、被告製品は洗濯用洗浄補助用品を手作りする用途の商品説明を有しており、被告製品を洗濯ネットに封入して製造された物品は本件各発明の技術的範囲に属すると認定した。次に、被告製品は本件各発明の課題の解決に不可欠なものに該当し、被告製品を洗濯ネットに封入すると必ず本件各発明の構成要件を充足する洗濯用洗浄補助用品が完成するため、単なる規格品・普及品とはいえず、「日本国内において広く一般に流通しているもの」には該当しないと判断した。市場に同種の金属マグネシウム粒子が多数流通していたとしても、それのみをもって「広く一般に流通しているもの」に該当するとはいえないとした。主観的要件については、原告製品が全国的に周知であったこと、Amazonのレビューで購入者がネットに封入して洗濯に使用していた旨の記載があったこと等から、被告は遅くとも口頭弁論終結時までに本件各発明が特許発明であること等を知っていたと認定した。他方、被告が被告製品を製造した事実を認めるに足りる証拠はないとして、製造の差止請求は棄却した。