強制性交等致傷、強制わいせつ被告事件についてした上告棄却決定に対する異議申立て事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、強制性交等致傷及び強制わいせつの各被告事件について、最高裁判所に上告がなされたものの、上告が棄却されたことに対し、被告人が異議を申し立てた事案である。被告人は、原審の有罪判決を不服として上告したが、上告趣意書の差出最終日は令和4年12月7日と指定されていた。弁護人は、同年11月4日に弁護人作成の上告趣意書を最高裁判所に提出した。一方、被告人本人も独自に上告趣意書を作成し、同月10日に収容先の大阪拘置所から弁護人の事務所宛てに郵送した。この被告人本人作成の上告趣意書は同月15日に弁護人の事務所に届いたものの、弁護人がこれを最高裁判所に提出したのは令和5年1月10日であった。最高裁判所は、それに先立つ同月5日、弁護人の上告趣意について刑訴法405条の上告理由に当たらないとして、同法414条、386条1項3号により上告棄却の決定をしていた。被告人は、この上告棄却決定に対し、被告人本人作成の上告趣意書について判断遺脱があるとして異議を申し立てた。 【争点】 原決定(上告棄却決定)に、被告人本人作成の上告趣意書についての判断遺脱があるか否か。 【判旨(量刑)】 最高裁第一小法廷は、裁判官全員一致の意見で、本件異議申立てを棄却した。決定理由として、上告棄却決定が令和5年1月5日になされたのに対し、被告人本人作成の上告趣意書が弁護人から最高裁判所に提出されたのは同月10日であったことから、原決定時点では当該上告趣意書は未提出であり、判断遺脱がないことは明らかであると判示した。なお、念のため被告人本人作成の上告趣意書の内容を検討した上で、その上告趣意は事実誤認の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらないとも付言した。