地方自治法第251条の5に基づく違法な国の関与(是正の指示)の取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 沖縄県名護市辺野古沿岸域における普天間飛行場代替施設建設のための公有水面埋立事業に関し、沖縄防衛局が埋立承認後の土質調査で海底地盤に軟弱地盤が判明したことを受け、地盤改良工事の追加等を内容とする埋立地用途変更・設計概要変更承認申請を行ったところ、原告(沖縄県知事)がこれを不承認としたため、沖縄防衛局の審査請求に基づき被告(国土交通大臣)が不承認処分を取り消す裁決をし、さらに地方自治法245条の7第1項に基づき承認するよう是正の指示をした。原告は、国地方係争処理委員会の決定を経て、本件是正の指示が違法な国の関与であるとしてその取消しを求めた。 【争点】 主な争点は、(1)本件裁決の拘束力が本件訴訟に及ぶか(争点1)、(2)本件裁決の有効性(争点2)、(3)本件是正の指示の有効性(争点3)、(4)災害防止要件の充足性(争点4)、(5)環境保全要件の充足性(争点5)、(6)国土利用上適正かつ合理的であること(第1号要件、争点6)、(7)埋立ての必要性(争点7)、(8)変更の「正当ノ事由」の有無(争点8)である。原告は、軟弱地盤に対する地盤改良工事の設計の合理性、ジュゴン等の環境保全への配慮、工期の大幅延長や費用増大を踏まえた埋立ての必要性等について、不承認処分の判断が正当であると主張した。 【判旨】 裁判所は、まず争点1について、是正の指示に対する関与取消訴訟は審査請求手続とは独立した制度であり、本件裁決の拘束力は本件訴訟における原告の主張を制限しないと判示した。争点2については、埋立承認は沖縄防衛局が「固有の資格」において相手方となるものではなく行審法の適用があるとした令和2年最高裁判決を踏襲し、本件裁決は有効であるとした。争点3については、裁決後に是正の指示が行われることは法の予定するところであり、権限の不当な連結や仕組みの濫用には当たらないとした。争点4ないし8については、原告の不承認処分の理由をいずれも検討し、地盤調査や設計の合理性、環境保全措置の妥当性、埋立ての必要性等に関する原告の判断は、裁量権の範囲を逸脱し又は濫用したものであり法令違反等が認められるとして、本件是正の指示は適法であると結論付け、原告の請求を棄却した。