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下級裁

公務執行妨害、強盗殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件

判決データ

事件番号
令和3う956
事件名
公務執行妨害、強盗殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2023年3月20日
裁判種別・結果
破棄自判
裁判官
齋藤正人大西直樹赤坂宏一

AI概要

【事案の概要】 被告人は、令和元年6月16日、大阪府吹田市の交番において、①交番勤務中の警察官(当時26歳)に対し、未必の殺意をもって出刃包丁で多数回突き刺すなどして職務執行を妨害するとともに、実包5発が装填されたけん銃を強取し、全治約6か月間以上を要する傷害を負わせ(公務執行妨害・強盗殺人未遂)、②出刃包丁1本を携帯し(銃刀法違反)、③奪ったけん銃を実包4発とともに翌朝まで携帯して所持した(銃刀法違反)とされる事案である。被告人は統合失調症にり患しており、責任能力の有無・程度が争点となった。原審(裁判員裁判)は心神耗弱を認定し、懲役12年に処した。 【争点】 被告人が犯行当時、心神喪失の状態にあったか、心神耗弱にとどまるかが争われた。原審では、50条鑑定を行ったA医師(心神喪失の方向の意見)と起訴前鑑定を行ったB医師(心神耗弱の方向の意見)の二つの鑑定意見が対立し、原審はA医師の意見を排斥してB医師の意見を採用し、心神耗弱と認定していた。 【判旨】 大阪高裁は、原判決を破棄し、被告人に無罪を言い渡した。その理由の骨子は以下のとおりである。 第一に、原判決の判断手法について、A医師の意見が採用できないからB医師の意見が採用できるという論法は、平成20年最判の趣旨に沿わず、立証責任の観点からも問題があると指摘した。また、A医師とB医師の意見の相違点のみに検討を限定し、A医師の鑑定意見の全体像を総合的に検討しなかった点も不適切であるとした。 第二に、原判決の判断内容について、A医師の意見に採用できない合理的な事情があるとした原審の判断は、精神医学の専門的知見に属する事項を鑑定の前提条件の問題と誤認したものであり、不合理であると判断した。A医師は、12回にわたる鑑定面接等を経て、被告人の供述の信用性も慎重に検討した上で専門的知見に基づく意見を述べており、その鑑定の手法・過程に重大な破綻はなく、十分に尊重すべきであるとした。 第三に、責任能力の判断について、高裁は、犯行前後の合目的的・臨機応変な行動は、正常な精神機能が残されていたことを示すものの、その精神機能が犯行を思いとどまる方向に作用したか、それとも病的な動機・目的と一体化して推進する方向に作用したかを具体的に検討すべきであるとの判断枠組みを示した。その上で、被告人の犯行の動機・目的は完全に統合失調症に基づいて形成されたものであり、残された精神機能は犯行の抑止に作用せず、むしろ病的な動機・目的を実現する推進力として作用したと認定し、行動制御能力を喪失していたと評価して、心神喪失を認めた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。