不正競争防止法による差止請求、損害賠償請求と書類提出命令請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 シーリングライト(天井照明)を販売する控訴人(ジュリアインテリア合同会社)が、被控訴人(VENTOTA株式会社)に対し、不正競争防止法に基づく差止め及び損害賠償を求めた事案の控訴審である。控訴人は、自社が平成22年から販売してきたシーリングライトの形態(白色ポリプロピレンの平板を放射状に折り畳んだプリーツ状のシェード部分が特徴)について、(1)不競法2条1項1号の周知な商品等表示に該当し、被控訴人による類似製品の販売は混同惹起行為に当たる、(2)同項3号の商品形態模倣行為に当たると主張した。原告各製品と被告各製品は、いずれも中国広東省の同一メーカー(中山市正久照明有限公司)で製造され、それぞれ別の中間業者を通じて日本に輸入・販売されていた。原審(東京地裁)は控訴人の請求をすべて棄却し、控訴人が控訴した(当審で損害賠償請求額を1億円から2000万円に減縮)。 【争点】 1. 原告各製品の形態が不競法2条1項1号の周知な「商品等表示」に該当するか 2. 控訴人が不競法2条1項3号の「営業上の利益を侵害された者」に該当するか(控訴人が自ら費用・労力を投下して商品を開発した者といえるか) 【判旨】 控訴棄却。争点1について、裁判所は、原告各製品のシェード部分に特徴的な形態があることは認めつつも、販売数量が明らかでないこと、少なくとも原告製品2のシェード部分はデンマークのレ・クリント社が1955年にデザインしたモデル30と類似しており独占的に使用されてきたとはいい難いこと、Facebook広告等の宣伝の結果として被告製品発売時(平成30年10月)までに需要者において控訴人の商品であると認識されるに至ったことの証明がないことから、周知な商品等表示には該当しないと判断した。争点2について、裁判所は、不競法2条1項3号の趣旨は自ら費用・労力を投下して商品を開発した者の保護にあるところ、控訴人がシェード部分について自ら開発したことを裏付ける証拠(設計図・仕様書等)が提出されていないこと、同一の中国メーカーが控訴人との独占販売契約なく類似製品を複数の顧客に製造・販売していたこと、中国国内ではレ・クリント社類似の照明器具が広く流通していたことから、控訴人が自ら費用・労力を投下して開発した者とは認められないとした。さらに、被告各製品が原告各製品に「依拠して」作製されたとも認められないと付言した。