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知財

発信者情報開示請求事件

判決データ

事件番号
令和3ワ32547
事件名
発信者情報開示請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2023年3月24日
裁判官
柴田義明佐伯良子仲田憲史

AI概要

【事案の概要】 本件は、映像の企画・制作等を目的とする原告(株式会社ケイ・エム・プロデュース)が、プロバイダである被告(ニフティ株式会社)に対し、原告が著作権を有する動画の複製物がビットトレント(P2P方式のファイル共有ソフト)を通じて送信可能化され、原告の公衆送信権が侵害されたと主張して、プロバイダ責任制限法5条1項に基づき、侵害行為に係る発信者情報(氏名、住所、メールアドレス)の開示を求めた事案である。原告は、調査会社(株式会社HDR)が独自開発した著作権侵害検知ソフトウェア(本件ソフト)を用いてビットトレントネットワークを監視し、原告の動画ファイルを保持するピアのIPアドレス等を検出・記録したとして、その調査結果に基づいて開示請求を行った。 【争点】 主な争点は、(1)本件各通信による情報の流通によって原告の著作権が侵害されたことが明らかといえるか、(2)本件各情報が原告の権利侵害に係る発信者情報であるか、(3)原告に発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか、の3点である。特に(1)に関し、調査会社の使用した本件ソフトの正確性・信頼性が最大の争点となった。被告は、本件ソフトがプロバイダ責任制限法ガイドライン上の認定システムではないこと、調査結果に通信自体が存在しないものや技術仕様上あり得ないポート番号(「0」「1」等)が相当数含まれていたことを指摘し、調査の信頼性を争った。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、本件ソフトの調査結果の正確性に重大な疑問があるとして、著作権侵害が明らかであるとは認められないと判断した。その理由として、第一に、被告が本件調査会社の記録した通信を調査したところ、PPPoE方式に係る7件について通信自体が存在せず、13件について技術仕様上契約者に割り当てられないポート番号が示されており、訴え提起後にも1件が通信不存在で取り下げられたことを認定した。第二に、調査会社は通信が存在しない原因について「分からない」としか説明できず、ポート番号の問題についても説明とログ記録の間に約6時間の間隙があるなど、合理的な説明がなされていないと指摘した。第三に、原告が提出した動作試験の報告書は、短時間・少数台の試験用ファイルによる限定的な実験にすぎず、実際の動作環境で反復継続して検証されたものではないため、誤った通信の記録可能性を排除するものではないと評価した。以上から、本件ソフトが実際の動作環境で誤った情報を記録しないことが証明されておらず、むしろ報告書の記載どおりに動作していないことがうかがわれるとして、全通信について原告主張の内容の通信が行われたとは認められないと結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。