時短営業命令処分取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、北海道知事が新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)31条の6第3項に基づき、令和3年7月6日付け及び同年8月24日付けで、原告ら(飲食店を経営する6社)が経営する計12店舗に対し、営業時間を午前5時から午後8時までとする各命令(まん延防止等重点措置に係る命令)を発したところ、原告らがこれらの命令は違法であると主張して、各命令の取消しを求めた事案である。原告らは命令に違反して営業を続け、店舗ごとに過料10万円の決定を受け、これを支払っていた。 【争点】 主な争点は、(1)命令の効力消滅後も訴えの利益が認められるか、(2)新型コロナウイルス感染症が特措法上の「新型インフルエンザ等」に該当するか、(3)北海道がまん延防止等重点措置の対象となる事態下にあったか、(4)命令が「特に必要があると認めるとき」の要件を満たすか、(5)命令が必要最小限のものといえるか、(6)手続上の瑕疵の有無である。 【判旨】 裁判所は、原告らの請求をいずれも棄却した。まず訴えの利益について、命令が取り消されれば過料決定に対する再審事由となり得るため、訴えの利益を肯定した。 実体面については、いずれの争点についても、政府対策本部長及び北海道知事の判断には裁量権が認められるとの枠組みを示した上で、裁量権の逸脱・濫用は認められないと判断した。具体的には、新型コロナウイルス感染症の肺炎発生頻度が季節性インフルエンザより相当程度高いとした政府の判断は不合理でなく、北海道が事態下にあったとの判断も、緊急事態宣言解除後の人流増加やデルタ株出現等を考慮すれば不合理とはいえないとした。「特に必要がある」との要件についても、飲食業界でのクラスター多発、感染拡大のおそれの高まり、学識経験者の意見等を総合し、裁量の逸脱・濫用はないとした。命令の必要最小限性については、当時経口治療薬がなく人流抑制に頼らざるを得ない状況下で、午後8時以降の営業制限が感染拡大防止に有効であったとの知見に基づく判断であり、必要以上の制限とはいえないとした。手続面でも、弁明期間1週間は感染対策の緊急性に照らし不合理ではないとして、瑕疵を認めなかった。