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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和4行ケ10022
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2023年4月6日
裁判官
本多知成中島朋宏勝又来未子

AI概要

【事案の概要】 本件は、「イズロン酸-2-スルファターゼのCNS送達のための方法および組成物」に関する特許(特許第6522072号、請求項1〜12)について、原告が特許庁に対して無効審判を請求したところ、請求不成立の審決がされたため、原告がその取消しを求めた審決取消訴訟である。本件特許は、ハンター症候群(ムコ多糖症II型)を治療するための安定製剤であって、所定濃度のイズロン酸-2-スルファターゼ(I2S)タンパク質とリン酸塩を含み、特定のpH範囲を有する製剤を脳室内投与(ICV投与)することを特徴とするものである。被告は複数の米国仮出願に基づくパリ条約優先権を主張しており、原告は優先権の判断の誤り、実施可能要件違反、サポート要件違反、明確性要件違反及び進歩性欠如を取消事由として主張した。 【争点】 (1) 優先権主張の適否(基礎出願にICV投与に関する記載が十分にあるか) (2) 実施可能要件違反の有無(安定製剤の全範囲にわたり実施可能か) (3) サポート要件違反の有無(課題解決手段が特許請求の範囲に反映されているか) (4) 明確性要件違反の有無(リン酸塩の下限値が特定されていない点) (5) 甲2発明又は甲3発明を主引用例とする進歩性欠如の有無 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。まず優先権については、基礎出願にはICV投与の実施例が記載されておらず、IT投与の実験データからICV投与の送達効果や治療効果を直ちに同視できるとの技術常識も認められないとして、優先権の主張は認められないと判断した。これにより先行文献である甲6が進歩性判断の先行技術となり得ることとなった。しかし、実施可能要件、サポート要件及び明確性要件についてはいずれも違反を認めなかった。実施可能要件については、本件明細書の実施例6及び7等により、本件発明の製剤がハンター症候群の治療に使用できることが開示されていると認定した。進歩性については、甲2発明及び甲3発明はいずれも概括的なものにすぎず、補充酵素濃度について具体的記載がないこと、タンパク質は高濃度で凝集し免疫原性が高まるという技術常識があったこと、甲2発明は投与がゆっくり行われるという点に技術的特徴を有し局所的な高濃度による酵素の毒性の回避を志向していたこと等を考慮し、甲6発明の処方物や高濃度化の技術常識等を適用して補充酵素濃度を高めることが容易想到であったとは認められないとして、進歩性を肯定した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。