AI概要
【事案の概要】 控訴人が、被控訴人(株式会社講談社)に対し、被控訴人の発行する雑誌に掲載された記事(本件記事)の記載が控訴人の社会的評価を低下させる事実を摘示したものであるとして名誉毀損を主張するとともに、同記事に掲載された控訴人の容ぼうが写った写真について肖像権及び著作権の侵害を主張し、不法行為に基づく損害賠償金100万円(名誉毀損につき70万円、肖像権侵害及び著作権侵害につき各15万円。原審では合計660万円を請求していたが当審で減縮)及び遅延損害金の支払を求めた事案の控訴審である。原審(東京地裁)は控訴人の請求をいずれも棄却した。 【争点】 1. 本件記載1ないし4の掲載が名誉毀損に当たるか 2. 本件写真の掲載が肖像権侵害に当たるか 3. 本件写真の掲載が著作権侵害に当たるか 控訴人は当審において、本件記事は控訴人に対し嫌がらせを続けている者が被控訴人の記者と手を組んで行った誹謗中傷行為であり中立的な報道ではないこと、出資者Aが控訴人の会社を訪れたとする供述は虚偽であること、控訴人が本件写真をAに交付した事実はないことを補充主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、控訴を棄却した。名誉毀損の成否について、本件記載1ないし4は、当時社会的地位を有していた控訴人が社会的に強い非難の対象とされる行為を犯したことに関連する事情を摘示するものであり、公共の利害に関する事実に係り専ら公益を図る目的で掲載されたものであるとして、名誉毀損の成立を否定した原判決の判断を維持した。控訴人の補充主張についても、本件記事が誹謗中傷行為である旨の主張は客観的証拠による裏付けを欠くとし、Aの供述の信用性に関する主張についても、音声ファイルにAの声が録音されていないことのみではAの供述の信用性は否定されず、むしろ控訴人のAの息子が暴れたとの供述こそ客観的証拠に反するとした。肖像権侵害については、本件写真が控訴人のブログで公開されていたと思われるとする控訴人自身の供述を踏まえ、控訴人が本件写真の広い公開を許容していたといえるとして、侵害を否定した。以上から、原審の判断は相当であるとして控訴を棄却した。