AI概要
【事案の概要】 原告会社(プラスチック金型等の販売会社)及びその代表者である原告P1が、被告(プラスチック成型用金型製作会社)に対し、以下の3つの請求をした事案である。(1)被告が製造するコネクター兼用モルタル接着補助具「ウォールキャッチャー」(WC)及び「スーパーウォールキャッチャー」(SWC)について、補助参加人(大林組)が有する特許権に抵触し、原告会社が将来にわたって被告から当該商品を購入・販売できなくなったとして、売買基本契約上の第三者の工業所有権との抵触について被告の負担と責任において処理解決する旨の特約(本件特約)の債務不履行又は瑕疵担保責任に基づく損害賠償として約1億6500万円等、(2)被告と南条装備工業との取引に関する成功報酬合意に基づく報酬金約81万円及び経費約36万円、(3)被告代表者の言動による精神的苦痛に対する慰謝料100万円。 【争点】 (1)WC及びSWCが本件契約の対象商品であるか(争点1)、(2)SWCが補助参加人の乙1発明の技術的範囲に属するか(争点2)、(3)乙1特許権に共同出願違反の無効理由があるか(争点3)、(4)本件特約上の対応義務違反の成否(争点4)、(5)瑕疵担保責任の有無(争点5)、(6)損害の発生及び額(争点6)、(7)報酬合意の存否(争点7)、(8)被告代表者の言動の有無及び違法性(争点8)。 【判旨】 請求をいずれも棄却した。まず争点1について、本件契約の対象商品条項の文言は商品特定要素が相互に矛盾するが、契約前からの経緯や現実の取引状況等に照らし、WC及びSWCを対象とするものと認定した。争点4について、本件特約は事後的な金銭補償のみならず、被告が技術的知見や権利関係等の必要な情報を提供し協力する義務を含むと解したが、被告は補助参加人からの侵害警告に対し、弁理士に依頼して対応し、乙1特許権の共同出願違反の無効理由を主張するための根拠と資料を提供し、原告会社の取引先にも説明して協力しており、義務違反は認められないとした。原告会社が販売事業を断念したのは、取引先である長谷工が補助参加人との直接交渉により取引中止を決めたことを受けた原告会社自身の経営判断によるものであり、被告とは無関係であるとした。争点5の瑕疵担保責任については、改正前民法が適用されるべきところ改正後民法の条文を挙げる主張自体が失当であり、本件契約は特定の特許権の実施品を売買する契約ではないとして否定した。争点7の報酬合意については客観的証拠がなく、合意内容も不明確であるとして認めなかった。争点8の慰謝料請求についても、言動の客観的証拠がなく、仮に主張どおりであっても取引関係にある代表者同士の発言として不法行為の違法性は認められないとした。