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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ1378
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
京都地方裁判所
裁判年月日
2023年4月26日
裁判官
池町知佐子池町知佐子

AI概要

【事案の概要】 原告Aの夫であり、原告B・C・Dの父であるE(当時43歳、バス運転手)は、インフルエンザ罹患後に多様な身体症状を伴ううつ病を発症し、希死念慮を伴ううつ病と診断されてL病院に医療保護入院した。退院後も症状が悪化したため、被告が開設する京都大学医学部附属病院の精神科に医療保護入院した。Eは入院初日に外来棟トイレの窓から無断離院し、その後も離院をうかがわせる行動を繰り返していたため、行動制限が「医師・看護師同伴の場合のみ外出可」に強化された。入院から約2週間後の平成30年11月5日、Eは担当医H医師及び研修初日のJ医師の同伴で外出した際、H医師が上着を取りに離れた隙に、J医師にトイレに行きたいと申し出た。J医師はこれを承諾し、トイレ内部が見えないソファーで待機していたところ、Eはトイレの窓から無断離院し、その後琵琶湖で溺死体で発見された。原告らは、被告病院医師らに自殺リスク評価検討義務違反、情報共有義務違反及び付添義務違反があったと主張し、債務不履行又は使用者責任に基づき合計約9282万円の損害賠償を請求した。 【争点】 ①被告病院医師らの自殺防止義務としての自殺リスク評価検討義務違反の有無、②無断離院防止義務としての情報共有義務違反の有無、③無断離院防止義務としての付添義務違反の有無、④上記各過失とEの死亡との相当因果関係、⑤過失相殺等、⑥損害額。 【判旨】 裁判所は、付添義務違反(争点③)について、Eが入院前に希死念慮を伴ううつ病と診断され病状が不安定であったこと、入院後も病識がなく入院に拒否的で、入院初日に同じトイレの窓から無断離院した前歴があること、その後も離院をうかがわせる行動が複数回あったこと、事故当日も不眠・体調不良・不安の強さが確認されていたことを総合考慮し、Eには衝動的な自傷・自殺のリスクが相応にあるとともに無断離院の具体的危険性があったと認定した。そして、被告病院のマニュアル等で「患者の側から離れない」付添いが求められていたことも踏まえ、H医師及びJ医師にはEの動静を確認できる状態で付添いをすべき義務があり、H医師が離れる際には研修初日のJ医師に対しEの状況等を伝えて指導すべき義務があったのにこれを怠った注意義務違反があると判断した。他方、自殺リスク評価検討義務違反(争点①)については、入院時点で自殺の具体的危険が切迫していたとまではいえないとして否定した。因果関係(争点④)については、Eの不安定な病状に加え、無断離院後は看護下を離れ自殺が容易となることから、無断離院から自殺に至る可能性は十分に認められ、予見可能であったとして相当因果関係を肯定した。過失相殺等(争点⑤)については、E自身が医療関係者に意図的に嘘をつき病状把握を困難にしていたこと、原告Aも悲観的発言等を被告病院に報告していなかったこと等の事情を考慮し、民法722条2項等の類推適用により5割の減額を行った。逸失利益の基礎収入は、精神疾患の寛解可能性を考慮して発症前年収の50%とした。結論として、原告Aに約1429万円、原告B・C・Dに各約467万円(合計約2830万円)及び遅延損害金の支払を命じ、その余の請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。