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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和4ワ185
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2023年5月12日
裁判官
立川毅岸本寛成

AI概要

【事案の概要】 地方公共団体である原告(大牟田市)は、小売電気事業者である被告との間で、市庁舎等及び学校等に係る2件の電力需給契約(契約期間:令和3年10月1日〜令和4年9月30日)を締結していた。ところが、被告の親会社は令和4年3月25日、世界的なエネルギー価格の高騰やウクライナ情勢の影響により電力小売事業を廃止することを表明した。被告は原告に対し、令和4年5月1日以降の電力供給ができない旨を通知し、市場連動型プランでの暫定供給を提案した。原告は、被告が電力供給の見込みがなく契約目的を達成できないとして、契約条項に基づき同年4月30日をもって両契約を解除した。原告は他の電力会社との契約締結のため入札を実施したが不調に終わり、やむなく一般送配電事業者である九州電力送配電との間で最終保障供給に係る電気需給契約を締結した。最終保障供給は被告との契約より高額であったため、原告は差額合計4321万8905円の損害賠償を求めて提訴した。 【争点】 ①被告の電力供給義務の不履行が不可抗力によるものか、②原告が被った損害の有無及び額。被告は、ロシアのウクライナ侵攻、福島県沖地震による発電所停止、電力仕入価格の急騰という事情が不可抗力に当たると主張した。また、原告は最終保障供給制度により電力供給を受けられているため損害は生じていないとも主張した。 【判旨】 裁判所は、被告の不可抗力の主張を排斥し、原告の請求を全額認容した。まず、契約上、被告には解除権が認められておらず、電力仕入価格の変動があった場合は原告と協議の上で契約単価を改定する手続が定められていたにもかかわらず、被告はこの手続を経ずに一方的に事業廃止・契約解除を通告したものであり、かかる解除は有効とはいえないと判断した。被告の行為は契約違反に当たり、原告は契約条項に基づき無催告で解除でき、損害賠償を請求できるとした。不可抗力についても、ウクライナ侵攻や地震自体は被告の統制が困難であるとしても、それによる電力仕入価格の高騰は小売電気事業者として十分想定できるリスクであり、契約期間も限定されていたことから、契約締結時に考慮できなかった障害とはいえないとした。被告の撤退は経営判断に過ぎず、回避困難かつ克服困難な障害には当たらないとした。損害についても、合意した電気料金で契約期間満了まで電力供給を受けられるという原告の期待は法的保護に値する利益であり、最終保障供給制度の存在によって損害が否定されるものではないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。