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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和4行ケ10059
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2023年6月15日
裁判官
本吉弘行中村恭本吉弘行

AI概要

【事案の概要】 本件は、被告が有する「ガラス、プレス成形用ガラス素材、光学素子ブランク、および光学素子」と題する特許(特許第6291598号)について、原告が特許無効審判を請求したところ、特許庁が請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めた審決取消訴訟である。本件特許は、高屈折率低分散の光学ガラスに関するもので、ガラスの各成分の含有量(組成要件)と、液相温度・屈折率・アッベ数・ガラス転移温度といった物性要件を構成要件として規定している。原告は、本件特許がサポート要件(特許法36条6項1号)に違反すると主張した。 【争点】 本件特許の特許請求の範囲の記載がサポート要件を充足するか否かが争点となった。具体的には、本件明細書には組成要件と物性要件の全てを同時に満たす実施例が一つも記載されていないところ、当業者が明細書の記載から本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものといえるかが問題となった。原告は、実施例が存在しない以上、当業者は試行錯誤の出発点すら絞り込めず、組成要件と物性要件を全て満たすガラスに到達することは新たな発明をすることに等しいと主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。裁判所はまず、サポート要件の判断基準として、特許請求の範囲に記載された発明が発明の詳細な説明に記載された発明であり、当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討すべきとした。その上で、本件明細書に記載された参考例33例のうち12例が組成要件の全てとガラス転移温度以外の物性要件を満たしていること、光学ガラス分野では既知のガラスの配合組成を基本に成分の一部を置き換える試行錯誤により目的の物性を有するガラスを見出すことが技術常識であること、本件明細書にはガラス転移温度を高めるための成分調整の方向性が示されていること等を認定した。さらに、甲11及び乙1の実験成績証明書により、参考例を起点としてZnOを減量しNb2O5又はB2O3とSiO2に置換する改変を加えることで組成要件と物性要件の全てを満たすガラスが実際に得られたことが裏付けられているとした。以上から、当業者は明細書の記載に基づき通常の試行錯誤により本件発明の各構成要件を満たす具体的組成に到達可能であると理解でき、サポート要件を充足すると判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。