損害賠償請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 控訴人会社は加圧ベルトをインターネット上で販売する会社であり、控訴人Xはその代表取締役である。被控訴人が、控訴人会社が著作権を有する加圧ベルトの商品画像を無断で自己のオンラインストアに掲載し、控訴人会社の販売価格よりも高額で同商品を販売した。控訴人会社は、①著作権(複製権・公衆送信権)侵害に基づく損害賠償、②不当利得返還、③不正競争防止法2条1項1号(周知表示混同惹起行為)及び同項21号(信用毀損行為)に基づく損害賠償として110万円の支払を選択的に請求し、控訴人Xは著作権侵害等への対応を余儀なくされたことによる不法行為に基づく損害賠償として30万円の支払を請求した。原審は控訴人会社の請求を5万円の限度で認容し、その余及び控訴人Xの請求を棄却したため、控訴人らが控訴するとともに、当審で無形損害の賠償請求を追加した。 【争点】 ①商品画像の著作物性及び控訴人会社の著作権の帰属、②著作権侵害による損害額、③控訴人会社の商号・商品・画像の周知性(不競法2条1項1号)、④被控訴人の行為が信用毀損の不正競争(同項21号)に該当するか、⑤控訴人Xに対する不法行為の成否、⑥無形損害の賠償の可否。 【判旨】 控訴棄却。知財高裁は、商品画像について、控訴人Xが撮影アングル等を具体的に指示して撮影させ、写真の選択や説明文の作成も行ったことから、言語及び写真の著作物に該当し、職務著作として控訴人会社が著作権を有すると認めた。著作権侵害に基づく損害額については原審の5万円の認定を維持した。不競法2条1項1号の周知性については、加圧ベルトがインターネット上で販売される商品であり販売地域は日本国内の広範囲にわたると考えられるところ、過去に控訴人Xが著者である書籍が発刊されたほかは新聞・雑誌等での広告宣伝の事実が認められず、具体的な販売状況も明らかでないとして、商品等表示の周知性を否定した。同項21号の信用毀損についても、被控訴人が控訴人会社に無断で高額販売したことは虚偽の事実の告知又は流布に当たらないとして否定した。控訴人Xに対する不法行為については、控訴人会社に対する権利侵害とは別に控訴人X個人の権利又は法的利益の侵害が生じたとは認められないとした。当審で追加された無形損害の賠償請求についても、信用毀損が認められないこと、仮に何らかの信用低下があったとしても販売期間が短期間であったこと等から、財産的損害の5万円の賠償によって評価し尽くされているとして棄却した。