固定資産税及び都市計画税賦課決定処分取消請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和4行コ164
- 事件名
- 固定資産税及び都市計画税賦課決定処分取消請求控訴事件
- 裁判所
- 大阪高等裁判所
- 裁判年月日
- 2023年6月29日
- 裁判種別・結果
- 破棄自判
- 裁判官
- 大島眞一、橋詰均、和田健
- 原審裁判所
- 大阪地方裁判所
AI概要
【事案の概要】 宗教法人である控訴人(真宗大谷派・南御堂)は、大阪市中央区に所有する土地(68番5土地、2589平方メートル)上に、訴外会社(積水ハウス不動産関西)との定期借地契約に基づき、地下1階・地上17階建ての商業施設(ホテル・店舗等)が建築された。同建物の1階から3階中央部には、幅約21.76メートル・高さ約13メートルの空洞が設けられ、御堂筋から南御堂への唯一の参道(本件参道空間)として機能していた。控訴人は、本件参道空間に相当する土地部分は地方税法348条2項3号の非課税資産(宗教法人が専らその本来の用に供する境内地)に該当するとして、令和2年度の固定資産税及び都市計画税の賦課決定の一部取消しを求めた。原審は控訴人の請求を全部棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 商業施設の建物内に設けられた参道空間(本件参道空間)が、地方税法348条2項3号所定の「宗教法人が専らその本来の用に供する境内地」に該当するか。被控訴人(大阪市)は、68番5土地全体が商業施設の敷地として借地契約の対象であり、容積率規制上も土地全体が建物の建築・存続に不可欠であるから、参道として使用されていても非課税とはならないと主張した。 【判旨】 大阪高裁は、原判決を変更し、控訴人の請求を一部認容した。まず、土地所有権は地上空間及び地下地盤の支配権であるから、土地の用途は立体的に把握すべきであり、68番5土地の地上空間には商業施設(課税用途)と参道空間(非課税用途)が混在しているとした。次に、本件借地契約の条項を検討し、借地人である訴外会社は本件参道空間の維持管理責任を負わず一切の使用収益が禁止されていることから、本件参道空間は借地契約の対象から除外されていると認定した。さらに、月額賃料1723万4800円は本件参道空間の使用収益の対価を含んでいないと認め、地方税法348条2項ただし書きの適用も否定した。非課税部分の計算については、課税用途の容積率面積(2万0620.45平方メートル)と非課税用途の容積率面積(1403.61平方メートル)の比率により、固定資産税等7601万4295円のうち484万4400円が非課税部分に賦課された額であるとし、年税額合計3億1362万9600円を超える部分を取り消した。