AI概要
【事案の概要】 被告人は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の理事(以下「本件理事」という。)と共謀し、収賄を行った事案である。被告人は自身が代表取締役を務める株式会社の名義口座を賄賂の受け皿として提供した。第1の事実として、広告代理店が本件理事からスポンサー契約に関する販売協力代理店の選任や支援業務等について有利かつ便宜な取り計らいを受けたことの謝礼等の趣旨で、平成30年12月28日に約2024万円の振込入金を受けた。第2の事実として、玩具会社が本件理事からライセンス契約の締結やライセンス商品の販売促進等について有利かつ便宜な取り計らいを受けたことの謝礼等の趣旨で、平成30年10月から令和3年4月までの間に11回にわたり合計約715万円の振込入金を受けた。賄賂の総額は合計2740万6931円に上る。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人を懲役2年・執行猶予4年に処し、2740万6931円の追徴を命じた(求刑:懲役2年及び同旨の追徴)。量刑にあたり、裁判所は以下の事情を考慮した。不利な事情として、賄賂が高額であること、本件理事がスポンサー契約やライセンス契約に関して様々な場面で便宜を供与したこと、世界的に注目された東京五輪大会の公正な運営に対する社会的信頼が害されたこと、被告人が賄賂金の3分の1の分配を受ける約束で口座を提供し、正当な商取引を装う書類の作成等にも主体的に関与して犯行の発覚を困難にしたこと、最終的に約551万円の取り分を得たことが挙げられた。一方、有利な事情として、本件は本件理事が賄賂の額や供与主体を決定し、被告人に口座提供を持ち掛ける形で行われたもので、被告人は本件理事との関係で従属的立場にあったこと、前科前歴がないこと、公判廷で事実を認め反省の弁を述べていることが考慮された。