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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和4行ケ10064
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2023年7月13日
裁判官
本多知成浅井憲勝又来未子

AI概要

【事案の概要】 本件は、「微細結晶」と題する発明に係る特許(特許第4606326号)の特許無効審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。原告ら(共和薬品工業株式会社及び日医工株式会社)が、被告(協和キリン株式会社)が保有する本件特許について、進歩性欠如(無効理由1)及びサポート要件違反(無効理由2)を主張して無効審判を請求したところ、特許庁が請求不成立の審決をしたため、その取消しを求めた。本件各発明は、パーキンソン病治療薬として有用な化合物1(イストラデフィリン)について、平均粒径0.5〜20μm、結晶化度40%以上の微細結晶及びこれを含む固体医薬製剤に関するものである。 【争点】 (1) 進歩性の有無(取消事由1):先行文献(甲1)に記載された化合物1の結晶から、本件各発明の平均粒径及び結晶化度の数値範囲に容易に想到し得たか。 (2) サポート要件違反の有無(取消事由2):本件明細書の記載から、特許請求の範囲全体にわたって課題を解決できると当業者が認識できるか。特に、HPMCを添加した試験例1の結果を、添加剤を用いない微細結晶等にも拡張できるか。 【判旨】 裁判所は、原告らの請求をいずれも棄却した。 進歩性について、裁判所は、甲1に接した当業者が化合物1の溶解性及び安定性を高めるとの課題を認識し得たことは認めつつも、結晶の粒子径を小さくすること(溶解性向上)と結晶化度を大きくすること(安定性向上)は相反する効果を生ずるものと認識されていたと認定した。すなわち、当時の技術常識では、非晶質の薬物の方が溶解性が高いとされ、水難溶性薬物の溶解性改善のために結晶化度を低くすることが一般的に行われていたのであるから、溶解性と安定性の双方を追求するために粒子径の微細化と結晶化度の維持を同時に達成するという構成は容易に想到し得なかったとした。 サポート要件について、裁判所は、試験例1の第1表の詳細な分析に基づき、HPMCの配合割合が大きくなるほど結晶化度が低下し残存率も低下すること、HPMCを含まない化合物1の結晶でも100%の残存率を示すこと等を指摘し、当業者が第1表の結果をHPMCの効果によるものと理解するとは認められないとした。また、溶解性・バイオアベイラビリティ・分散性についても、試験例2及び3の記載と出願当時の技術常識を総合考慮すれば、当業者は本件各発明の数値範囲において課題を解決できると認識し得たと判断し、サポート要件に適合すると結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。