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【事案の概要】 原告(株式会社タグチ工業)は、「GUZZILLA」という商標(第7類「パワーショベル用の破砕機・切断機・掴み機・穿孔機等のアタッチメント」を指定商品)の商標権者である。被告(東宝株式会社)は、怪獣映画「ゴジラ」の創作者であり、その欧文字表記「GODZILLA」を引用商標として使用している。被告は、本件商標が商標法4条1項15号(混同を生ずるおそれ)に該当するとして商標登録無効審判を請求し、特許庁は本件商標の登録を無効とする審決をした。原告がこの審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に提訴したのが本件である。なお、原告は以前にも同一デザインの商標(別件商標)について同様の無効審判・審決取消訴訟を経験しており、別件商標は最終的に無効とされている。 【争点】 1. 引用商標「GODZILLA」が周知著名な商標に当たるとした認定の当否 2. 本件商標「GUZZILLA」と引用商標「GODZILLA」の類否 3. 商標法4条1項15号の「混同を生ずるおそれ」の有無(特に、指定商品が専門的な土木機械器具であり、取引者・需要者が専門業者に限られることを踏まえた判断の当否) 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却し、審決を維持した。裁判所はまず、商標法4条1項15号の「混同を生ずるおそれ」には、使用許諾(ライセンス)契約を締結して事業を営むグループに属する関係にあると誤信されるおそれがある商標も含まれると判示した。そのうえで、(1)両商標は8文字の欧文字からなり語頭の「G」と語尾の「ZILLA」を共通にし、称呼において「グジラ/ガジラ」と「ゴジラ」は相紛らわしく、外観においても相紛らわしい点を含むことから類似性の程度は高いこと、(2)引用商標は昭和30年以降長年にわたり使用され、辞書にも掲載されるなど周知著名であり独創性も高いこと、(3)被告は産廃業・解体業・建築業等の業種にも引用商標の使用許諾を行っており、本件商標の指定商品の取引者・需要者と共通する者が一定数存在すること、(4)これらの取引者・需要者は商品の性能や品質のみならず商標に表れる業務上の信用をも考慮して取引を行うことを総合的に考慮し、出所混同のおそれがあると認定した。原告の「専門業者は商標のイメージに誘引されない」「使用許諾関係の誤信は品質管理の誤信がある場合に限る」等の主張はいずれも退けられた。