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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和4ワ296
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
奈良地方裁判所
裁判年月日
2023年8月31日

AI概要

【事案の概要】 本件は、奈良県内の警察署に勤務する警察官である原告が、同警察署内で発生したとされる拳銃実包(実弾)5発の窃盗事件の被疑者として、奈良県警察の警察官から受けた取調べが違法であったとして、被告(奈良県)に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた事案である。 実弾5発の不足は、実際には県警本部が令和2年11月の実弾交換(配分)時に納入数量を誤ったことが原因であり、窃盗事件はおろか実弾の紛失すら発生していなかった。しかし県警は紛失と誤認し、不足発覚直前に拳銃保管庫の点検業務に従事していた原告に窃盗の嫌疑をかけた。原告は令和4年1月9日から取調べを受け始め、同年2月28日から3月8日までの8日間は県警本部で連日約7時間から約10時間にわたる長時間の取調べを受けた。取調べにおいて警察官らは、原告を犯人と断定し、人格を非難する侮辱的言辞を繰り返し、根拠のない精神障害の疑いを告げ、親族宅の捜索や逮捕の可能性を示唆し、周囲の警察官の悪評を読み上げるなどして、執拗に自白を迫った。また、原告の自宅に対する捜索や24時間の監視も行われた。原告はこれにより鬱病を発症し、休職を余儀なくされた。同年4月以降の調査で実弾不足の原因が配布時の過誤であったことが判明し、同年7月14日に県警が原告に謝罪した。 【争点】 本件取調べが国家賠償法上違法であったこと及び警察官らに過失があったことについては当事者間に争いがなく、主な争点は原告の損害額であった。原告は慰謝料500万円のほか、刑事弁護費用88万円、医療費、休職に伴う賃金減少額等を含む合計約820万円を請求した。被告は賃金減少額及び慰謝料の発生自体は認めたが、その額等を争った。 【判旨】 裁判所は、令和4年1月の取調べ(事情聴取)については、実弾所在不明という重大事象の発覚直後に原告から事情を聴取する必要性が高かったことから、社会通念上相当な限度を超えた違法な取調べとまではいえないとした。一方、同年2月28日から3月8日までの取調べについては、原告の言い分は既に明らかになっており重ねて聴取する必要性は高くないこと、杜撰な点検方法が常態化していた中で原告のみに嫌疑をかけることに合理性がないこと、原告が指摘した配布ミスの可能性を真摯に検討した形跡がないことから、嫌疑の根拠は薄弱であったと認定した。そのうえで、警察官らが連日長時間にわたり人格的非難や侮辱的言辞を繰り返し、強制捜査の可能性を示唆して心理的に追い詰め、薄弱な証拠を埋め合わせるように執拗に自白を迫った取調べは、社会通念上相当と認められる方法・態様・限度を超えた違法な取調べであると判断した。損害額については、慰謝料70万円、刑事弁護費用88万円、医療費約2万4000円、賃金減少額約165万4000円、弁護士費用30万円の合計355万8375円を認容した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。