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手続却下処分取消請求事件

判決データ

事件番号
令和4行ウ5002
事件名
手続却下処分取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2023年8月31日
裁判官
杉浦正樹小口五大久野雄平

AI概要

【事案の概要】 米国法人である原告は、2017年に特許協力条約(PCT)に基づく国際特許出願(発明の名称「四フッ化チオニル修飾化合物及び使用」)を行い、日本を指定国に含めていた。日本への国内移行手続として、優先日から2年6か月以内(期限:2019年5月29日)に明細書等の翻訳文を特許庁長官に提出する必要があった。原告は米国シカゴの法律事務所の弁護士に手続を委任していたが、原告から日本への国内移行を指示するメールが送信されたのは期限6日前の5月23日であった。担当弁護士は海外出張中で同メールを開封せず、担当秘書も退勤後で気付かなかった。翌24日も弁護士は出張中、秘書は休暇であった。25日から27日は米国の休日・祝日で事務所は非営業日であった。28日に弁護士は出勤し午前中にメールを認識したが、出張中の業務処理や会議で多忙となり自ら対応せず、秘書も急病で欠勤していた(弁護士はこれを知らなかった)。結局、秘書が29日に出勤して手続書類を送信したが、日本時間では既に期限を徒過していた。特許庁長官は、期間徒過につき特許法184条の4第4項の「正当な理由」がないとして、本件手続を却下する処分をした。原告は審査請求を経た上で、本件却下処分の取消しを求めて提訴した。 【争点】 本件期間徒過について、特許法184条の4第4項所定の「正当な理由」が認められるか。原告は、令和3年法改正で救済要件が「相当な注意基準」から「故意でない基準」に緩和された経緯を踏まえ、改正前の解釈においても緩やかに判断すべきであり、45年以上にわたり期間徒過のなかった事務所の確立された体制に依拠した担当弁護士の対応は合理的な注意義務を果たしていたと主張した。被告(国)は、担当弁護士は海外出張中も期限の切迫を認識し得たのに自らメールを確認せず、帰国後もメールを認識しながら何ら対応しなかった点で相当な注意を尽くしていないと反論した。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、「正当な理由があるとき」とは、出願人(代理人を含む)が相当な注意を尽くしていたにもかかわらず、客観的に期間内に翻訳文を提出できなかった場合をいうと解した。本件では、担当弁護士が5月28日午前中に移行指示メールを認識した時点で、日米間の時差(-14時間)を考慮すれば、直ちに対応しなければ期限に間に合わない切迫した状況であったことは容易に理解し得たと指摘した。にもかかわらず、弁護士は多忙を理由に自ら対応せず、秘書への確認も行わなかった。令和3年改正の趣旨を踏まえて「正当な理由」の解釈をいくらか緩和する方向で考えたとしても、期限切迫下でメールを認識しながら何らの対応も取らなかった弁護士の行為は、相当な注意を尽くしたとはいえないと判断した。また、手数料徴収に関する対応の変更を伴わないまま解釈・適用を緩和することには慎重であるべきとも述べた。以上から、本件期間徒過に「正当な理由」はなく、却下処分は適法であるとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。