地方自治法第251条の5に基づく違法な国の関与(是正の指示)の取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 沖縄防衛局は、普天間飛行場の代替施設を沖縄県名護市辺野古沿岸域に設置するため、公有水面埋立法に基づき埋立地の用途及び設計の概要に係る変更承認申請(本件変更申請)をしたが、沖縄県知事(上告人)は変更を承認しない処分(本件変更不承認)をした。国土交通大臣(被上告人)は、沖縄防衛局の審査請求を受けて本件変更不承認を取り消す裁決(本件裁決)をし、さらに地方自治法245条の7第1項に基づき、沖縄県に対し変更の承認をするよう是正の指示(本件指示)をした。上告人は、本件指示が違法な国の関与に当たるとして、地方自治法251条の5第1項1号に基づき、本件指示の取消しを求めた。 【争点】 本件裁決により本件変更不承認が取り消された後も、沖縄県知事が同一の理由に基づいて変更承認をしないことが、地方自治法245条の7第1項所定の「法令の規定に違反している」に該当するか。すなわち、本件是正の指示が適法か否かが争われた。 【判旨】 最高裁は、裁判官全員一致の意見で上告を棄却した。まず、行政不服審査法52条1項は裁決が関係行政庁を拘束する旨を、同条2項は申請を棄却した処分が裁決で取り消された場合に処分庁は裁決の趣旨に従い改めて処分をしなければならない旨を規定しており、これは審査庁が処分庁の上級行政庁であるか否かによって異ならないとした。その趣旨は、処分庁を含む関係行政庁に裁決の趣旨に従った行動を義務付け、審査請求人の権利利益の簡易迅速かつ実効的な救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することにあると解した。そのうえで、法定受託事務に係る申請を棄却した都道府県知事の処分を取り消す裁決がされたにもかかわらず、知事が同一の理由に基づいて申請を認容しないことは、地方自治法245条の7第1項所定の法令違反に該当するとし、本件指示は適法であると結論づけた。