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【事案の概要】 原告(サブ水産株式会社)は、「梅水晶」(標準文字)について第29類(サメ軟骨の梅肉和え等)を指定商品として商標登録出願を行ったが、特許庁から拒絶査定を受けた。原告は拒絶査定不服審判を請求したが、特許庁は本願商標が商標法3条1項6号(需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できない商標)に該当するとして請求不成立の審決をした。原告は、「梅水晶」は自ら平成3年頃に独自に考案した商品名であり、25年以上にわたり使用してきた結果、取引者・需要者の間で原告の商品を示すものとして広く知られていると主張し、審決の取消しを求めた。 【争点】 ①商標法3条1項6号該当性(「梅水晶」が自他商品識別力を有しない商標か否か)、②商標法3条2項該当性(使用による識別力の獲得が認められるか否か)。原告は、需要者はホテルや飲食店等の事業者のみであり一般消費者は含まれないと主張したのに対し、被告(特許庁長官)は一般消費者も需要者に含まれると反論した。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、指定商品の需要者には事業者だけでなく、インターネット上のショッピングサイトやスーパー等で購入する一般消費者も含まれると判断した。その上で、取引の実情として、①楽天市場やアマゾン等のネット販売サイトで原告以外の者が製造した同種商品に「梅水晶」の名称が付されて販売されていること、②全国多数の飲食店でサメ軟骨を梅肉で和えた料理の名称として「梅水晶」が広く使用されていること、③料理レシピサイトでも鶏軟骨等を代用した「梅水晶」のレシピが多数投稿されていることを認定した。これらの事実から、需要者は「梅水晶」をサメ軟骨等を梅肉で和えた惣菜の料理名・一般名称と認識するものであり、特定の出所を示す自他商品識別力を有しないと結論付けた。原告が考案した名称であっても、一般名称化により識別力を喪失し得ることを指摘し、証明願やテレビ紹介等の証拠も一般消費者を含む需要者全体の認識を示すものとは認められないとした。また、商標法3条2項は同条1項6号該当商標には適用されず、仮に適用されるとしても使用による識別力獲得は認められないとして、審決の判断に誤りはないと判示した。