損害賠償請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和5ネ10050
- 事件名
- 損害賠償請求控訴事件
- 裁判所
- 知的財産高等裁判所
- 裁判年月日
- 2023年9月19日
- 裁判官
- 清水響、浅井憲、勝又来未子
- 原審裁判所
- さいたま地方裁判所_熊谷支部
AI概要
【事案の概要】 控訴人(原告)が、被控訴人(被告)である日本テレビ放送網株式会社に対し、控訴人が作成した「ふみとやすおの歌」(原告作品)について、①原告が同作品の著作権を有することの確認を求めるとともに、②被告がテレビ番組内において原告作品又はその実演を録音・録画したものを無断で放送等したことにより、著作権ないし著作隣接権を侵害したと主張して、使用料相当額約9億7329万円の一部請求として140万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。原審(さいたま地方裁判所熊谷支部)は、著作物であることの確認請求を却下し、損害賠償請求を棄却したため、控訴人が控訴した。控訴審では、確認請求を著作権の帰属確認に交換的変更した。 【争点】 (1) 著作権帰属確認の訴えの適法性(確認の利益の有無) (2) 被告が原告作品を放送等した事実の有無 【判旨】 控訴棄却・確認請求却下。 (1) 確認の利益について、裁判所は、被告は原告作品を放送等した事実がないことを主張して争っているにすぎず、仮に原告作品が著作物だとした場合に原告が著作権者となることについて積極的に争っていないと認定した。紛争の中心は被告が原告作品を放送等した事実の有無であり、当該事実は認められず、被告において将来原告作品を放映する予定もないことから、著作権者を確認することについて即時確定の利益は認められないとして、確認請求を不適法として却下した。 (2) 著作権侵害について、裁判所は、原告が無断使用されたと主張する「あたたーて」の歌詞部分について、仮に番組内で対比表記載のとおりに演奏等がされていたとしても、原告作品をそのまま再現したものではなく、原告作品の表現上の本質的な特徴を直接感得することはできないと判断した。さらに、「あたたーて」の5文字は文字数が少なく誰もが偶然に発し得る程度のものであり、旋律及びリズムも1小節以内の非常に短いものであって、偶然に同様のものを発することもあり得ると認定し、被告番組で同様の音声が用いられたとしても直ちに著作権侵害とは認められないとした。以上から、損害賠償請求を棄却した原判決は相当であるとして控訴を棄却した。