発信者情報開示請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 VTuberの育成・マネジメント等を行う原告(株式会社バーチャルエンターテイメント)が、原告所属の女性4名のVTuberキャラクターが描かれたイラスト(本件イラスト)について、氏名不詳者がその左右の一部を切り取った画像をインターネット上の掲示板「VTuberまとめてみました」に無断で投稿したとして、同掲示板のサーバーを管理するレンタルサーバー事業者である被告(エックスサーバー株式会社)に対し、プロバイダ責任法5条1項に基づき発信者情報の開示を求めた事案。被告は口頭弁論期日に出頭せず、擬制陳述された答弁書において、著作物性や著作権の帰属については不知、権利侵害の明白性については争うとの認否を示した。 【争点】 (1) 本件イラストの著作物性及び著作権の帰属 (2) 本件投稿による著作権(複製権・翻案権・公衆送信権)侵害の成否 (3) 権利侵害の明白性(適法引用の成否) (4) 発信者情報開示を受ける正当な理由の有無 【判旨】 請求認容。裁判所は、本件イラストがVTuberキャラクターの設定を反映した創作的表現であり、著作権法2条1項1号の「美術の著作物」に該当すると認定した。著作権の帰属については、イラストレーターとの業務委託基本契約に基づき、著作権が発生と同時に原告に移転した事実を認めた。侵害態様については、投稿画像は本件イラストの左右を切り取ったものであり新たな創作的表現は含まれていないとして、複製権及び公衆送信権の侵害を認めた。ただし、翻案権侵害については成立を認めなかった。引用の抗弁についても、本件投稿における使用態様に照らし適法な引用(著作権法32条1項)には当たらないとして権利侵害の明白性を肯定し、損害賠償請求等を予定する原告に正当な理由があるとして、発信者情報の開示を命じた。