AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社医療情報技術研究所)は、上段に「ラース」の片仮名、下段に「RaaS」の欧文字を二段に表した商標について、第7類「産業用ロボット並びにその部品及び附属品」、第39類「荷役用ロボットの貸与」等、第40類「半導体製造用ロボットの貸与」等を指定商品・指定役務として商標登録出願を行ったが、拒絶査定を受けた。原告は拒絶査定不服審判を請求したが、特許庁は商標法3条1項3号(記述的商標)及び同法4条1項16号(品質誤認)に該当するとして請求不成立の審決をした。原告はこの審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した。 【争点】 (1) 本願商標の商標法3条1項3号(記述的商標)該当性の判断の誤りの有無 (2) 本願商標の商標法4条1項16号(品質誤認のおそれ)該当性の判断の誤りの有無 原告は、「RaaS」は「Robots as a Service」の頭文字の集合体にすぎず、それ自体に特定の意味はないから、取引者・需要者は商品又は役務の特徴等を認識できないと主張した。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、証拠に基づき、「RaaS」はロボット・アズ・ア・サービス(Robot as a Service)の略語であり、「ロボット本体をレンタルし、クラウド上にある制御システムを利用するしくみ」を意味するものとして一般に用いられていると認定した。このような意味における「RaaS」の概念は、物流業界、製造業界、金属加工業界、食品加工業界を含む産業界において注目を集めており、実際に「RaaS(ラース)」と称してロボットが貸与されている実情がある。本願商標は特に図案化もされておらず、普通に用いられる方法で表示されたものにすぎない。したがって、本願商標に接した取引者・需要者は、商品の品質・用途及び役務の質・提供方法を表したものと認識するにとどまり、自他商品・役務識別力を欠くから、商標法3条1項3号に該当する。また、指定商品・役務のうちRaaSに該当しないものに使用すれば品質誤認を生じるおそれがあり、同法4条1項16号にも該当するとして、審決の判断に誤りはないと結論づけた。