不正競争行為差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 ノルウェーの家具デザイナーがデザインした子供用椅子「TRIPP TRAPP」の製造販売元である原告オプスヴィック社及び原告ストッケ社が、被告(株式会社Noz)の製造販売する子供用椅子「Choice Kids」「Choice Baby」について、①不正競争防止法に基づく商品等表示の不正使用(周知著名な商品形態の模倣)、②著作権(複製権・翻案権)侵害、③一般不法行為を主張し、製造販売の差止め・廃棄、損害賠償(原告オプスヴィック社約174万円、原告ストッケ社約1305万円)及び謝罪広告の掲載を求めた事案である。原告らは、TRIPP TRAPPの形態的特徴として、左右一対の側木による2本脚構造で座面板・足置板が側木の間に固定されている点(特徴①)と、側木と脚木が約66度の鋭角で略L字型を形成している点(特徴②)を主張した。 【争点】 主な争点は、(1)原告製品の形態が不競法上の「商品等表示」に該当するか、(2)原告製品の著作物性と被告各製品による複製・翻案の成否、(3)一般不法行為の成否である。 【判旨】 裁判所は原告らの請求をいずれも棄却した。不競法上の争点について、商品の形態が商品等表示に該当するには、特別顕著性と周知性が必要であるところ、原告らが主張する本件形態的特徴(特徴①②)は文字で特定されるにとどまり、直線的構成美を欠く多種多様な形態を広範に含むため、出所表示機能を発揮する商品等表示部分の明確な特定がなされていないと判断した。さらに、原告製品の本質は特徴①〜⑥を全て組み合わせた「究極的にシンプルでシャープな印象を与える直線的構成美」にあるところ、被告各製品は座面板等の固定に複数の部材を利用し、背板中央の楕円形の穴、側木の円形穴、側木上部の折れ曲がり、座面板・足置板の曲線形状など曲線的要素を数多く含み、原告製品の直線的構成美を明らかに欠くとした。著作権侵害についても、原告製品の直線的構成美は椅子の機能と密接不可分に関連するものであり、仮に著作物性を認めたとしても、基本的にデッドコピーでない限り直線的構成美を直接感得できず、複雑かつ曲線的形状を含む被告各製品から原告製品の表現上の本質的特徴を感得することはできないとして、複製・翻案を否定した。一般不法行為についても、被告各製品は原告製品と明らかに非類似であり、自由競争の範囲を逸脱するとは認められないとした。