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知財

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ18421
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2023年9月29日

AI概要

【事案の概要】 米国法人である原告(スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー)は、「キューブコーナー素子を有する層状体および再帰反射シート」に関する特許権(特許第5302282号)を保有していた。原告は、被告(日本カーバイド工業)が製造販売する再帰反射シート(六角形型フルキューブコーナー形状のプリズムを有する製品)が本件特許の請求項1及び4に係る発明の技術的範囲に属するとして、特許法100条に基づく製造販売等の差止め及び廃棄を求めるとともに、損害賠償として約9800万円の支払を求めた。また、原告から本件特許権について独占的通常実施権の許諾を受けた参加人(スリーエムジャパン株式会社)も、被告に対し200万円の損害賠償を求めた。再帰反射シートとは、入射した光を元の光源方向に反射する特性を持つ素材であり、道路標識や車両用反射テープなどに広く使用されている。本件特許は、キューブコーナー素子の二面角に意図的な誤差(二面角誤差)を設けることで再帰反射光の発散特性を制御する技術に関するものである。 【争点】 主な争点は、(1)被告製品が本件各発明の技術的範囲に属するか(構成要件の充足性)、(2)無効の抗弁(明確性要件違反、サポート要件違反、実施可能要件違反、新規性・進歩性欠如)の成否、(3)原告らの損害額であった。特に構成要件の充足性に関しては、被告製品のプリズムにおける「二面角誤差」の存否及びその具体的な値の立証が最大の争点となった。 【判旨】 裁判所は、構成要件1-A(「物品」)及び1-D、1-B1ないし1-B3(非二面縁の基準平面に対する非平行性等)については、いずれも被告製品が充足すると認めた。「物品」は層状体やその複製物に限定されず、再帰反射シートも含まれると解し、また被告プリズムが完全キューブコーナー素子であり基準平面に対して非平行な非二面縁を有することも認定した。しかし、構成要件1-C1ないし1-C4(二面角誤差に関する要件)については、原告らの立証が不十分であるとして充足を否定した。具体的には、(1)被告プリズムの三つの反射面のうちどれが「主要溝面」に当たるかの特定がされておらず、本件データにおける各二面角が特許請求の範囲の「1-2二面角」及び「1-3二面角」のいずれに対応するかが立証されていないこと、(2)原告らが提出した分析報告書で採用された二面角誤差の測定方法について、標準試料等による精度確認がされておらず、干渉計やソフトウェアに内在する測定誤差を定量的に見積もることもできないため、測定方法の正確性が担保されていないことを指摘した。本件発明4に係る構成要件についても同様の理由で充足を否定し、被告製品は本件各発明の技術的範囲に属しないと判断して、原告らの請求をいずれも棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。