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下級裁

生活保護基準引下げに基づく保護費変更(減額)処分取消請求事件

判決データ

事件番号
平成26行ウ53
事件名
生活保護基準引下げに基づく保護費変更(減額)処分取消請求事件
裁判所
広島地方裁判所
裁判年月日
2023年10月2日
裁判官
大浜寿美財賀理行森谷謙太

AI概要

【事案の概要】 広島県内に居住し生活保護を受けていた原告ら(約60名)が、平成25年(2013年)の生活保護基準引下げ(平成25年改定)に伴い、各福祉事務所長から生活扶助費の減額を内容とする保護変更決定を受けたことにつき、その取消しを求めた事案である。平成25年改定は、(1)生活保護基準部会の検証結果に基づき、年齢別・世帯人員別・地域別の生活扶助基準と低所得世帯の消費実態との較差(ゆがみ)を是正する「ゆがみ調整」と、(2)平成20年以降のデフレ傾向により生活保護受給世帯の可処分所得が実質的に増加したとして、物価変動率マイナス4.78%を生活扶助基準に反映させる「デフレ調整」の二本柱で構成されていた。改定は平成25年度から3年間かけて段階的に実施され、減額幅が10%を超えないよう激変緩和措置も講じられた。なお、韓国籍の原告番号9については、生活保護法に基づく処分ではなく行政措置であるため、訴えの適法性も争点となった。 【争点】 主な争点は、平成25年改定が厚生労働大臣の裁量権の範囲を逸脱・濫用したものか否かであり、具体的には、(1)ゆがみ調整において生活保護受給世帯を含む第1・十分位層の消費支出を比較対象としたことの適否、(2)検証結果を2分の1のみ反映させた処理の適否、(3)デフレ調整について基準部会等の専門機関の審議を経なかったことの適否、(4)物価変動率の算定方法(生活扶助相当品目の選定、算定期間、ウエイトの選択等)の適否、(5)算定された物価変動率マイナス4.78%をそのまま改定率としたことの適否が争われた。 【判旨】 裁判所は、ゆがみ調整については適法と判断した。第1・十分位層の消費支出を比較対象としたことは、受給世帯間の公平を図るための指数適正化という目的に照らし合理性があり、2分の1処理も子どものいる世帯への影響を緩和する激変緩和措置として相応の合理性があるとした。 他方、デフレ調整については違法と判断した。物価変動を指標とする改定自体は許容されるものの、厚生労働大臣が算定した物価変動率マイナス4.78%をそのまま改定率としたことは、統計等の客観的な数値等との合理的関連性や専門的知見との整合性を欠くとした。その理由として、(1)物価下落率がそのまま可処分所得の増加率と評価できるかは明らかでないこと、(2)生活保護受給世帯と一般世帯では消費構造が大きく異なり、特にテレビ等の教養娯楽用耐久財の寄与度が顕著に大きいが、地デジ移行等の特殊事情による需要増加は生活保護受給世帯には当てはまらない可能性が高いこと、(3)これらの事情を踏まえた専門技術的な評価・検証が行われた形跡がないことを挙げた。結論として、原告番号9の訴えは不適法として却下し、それ以外の原告らの請求を認容して各保護変更決定を取り消した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。