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知財

特許権侵害差止等請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和5ネ10047
事件名
特許権侵害差止等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2023年10月3日
裁判官
宮坂昌利本吉弘行頼晋一
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 控訴人(第1審原告)は、発明の名称を「授乳用ユニット」とする特許(特許第6865989号)の特許権者であり、被控訴人(第1審被告)が製造等する製品が本件特許権を侵害するとして、被控訴人に対し、特許法100条1項に基づく製造等の差止め、同条2項に基づく製品の廃棄、不法行為に基づく損害賠償(5万5000円及び遅延損害金)、並びに同法106条に基づく謝罪広告の掲載を求めた事案の控訴審である。本件特許に係る発明は、プライバシーが保護された授乳用空間を形成する筐体にキャスターを備え、移動・設置を容易にした授乳用ユニットに関するものである。原審(東京地方裁判所)は、被控訴人が主張した特許無効の抗弁(乙6文献を主引用例とする進歩性欠如)を認め、控訴人の請求を全部棄却したため、控訴人がこれを不服として控訴した。 【争点】 本件の主要な争点は、本件発明の進歩性の有無、すなわち乙6発明(中標津町役場に設置された授乳室に関する文献)に周知技術を組み合わせることにより本件発明を容易に想到できたか否かである。控訴人は控訴審において、①乙6発明には授乳室の移動を容易にするという動機付けが内在していないこと、②乙6発明と各引用文献の技術分野が異なること、③移動による利便性低下等の阻害要因が存在すること、④簡易迅速な移動や利用者の回遊促進等の予測できない顕著な効果を有することを補充的に主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、控訴人の補充的主張をいずれも排斥し、控訴を棄却した。まず動機付けについて、乙6発明の授乳室は設置場所の壁や床から独立した筐体であり、既存の建物内に搬入する形で設置されたものであるから、設置場所の変更や一時的な退避等の理由による移動も十分想定され、移動を容易にするという動機付けが内在しているとした。技術分野の相違については、本件発明の相違点であるキャスターの技術的意義は、内部に利用者が入る筐体を簡易に移動させることにあり、各引用文献も外部の視線を遮りプライバシーを守る目的又は効果を有する筐体に関するものであるから、技術分野が異なるとはいえないと判断した。阻害要因については、控訴人の主張は不適切な場所に移動した場合の弊害にすぎず、適切な場所への移動手段を設けることの阻害要因とはならないとした。顕著な効果についても、移動の容易化やレイアウト変更はキャスターを付けることの通常の効果であり、回遊促進も適切な場所に設置することの効果にすぎず、予測できない顕著な効果とはいえないとして、原審の判断を維持した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。