AI概要
【事案の概要】 原告は、「athlete Chiffon」の文字を標準文字で表してなる商標(本願商標)について、第43類「飲食物の提供、宿泊施設の提供」等を指定役務として商標登録出願をしたが、拒絶査定を受けた。原告は拒絶査定不服審判を請求したが、特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」との審決をした。審決は、本願商標が「運動選手向けのシフォンケーキ」程度の意味合いを認識させるものであり、指定役務中「運動選手向けのシフォンケーキの提供」に使用しても役務の質(内容)を表示するにとどまるとして商標法3条1項3号に該当し、また、それ以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるとして同法4条1項16号に該当すると判断した。原告は本件審決の取消しを求めて訴えを提起した。 【争点】 (1) 商標法3条1項3号該当性の判断の誤り (2) 商標法4条1項16号該当性の判断の誤り 【判旨】 請求棄却。裁判所は、以下のとおり審決の判断に誤りはないとした。 争点(1)について、「athlete」は「運動選手」を意味する平易な英単語であり、飲食物の業界において「アスリートケーキ」「アスリートパンケーキ」等のように運動選手向けの商品を表す語として広く使用されている実情が認められるとした。また、「Chiffon」についても、「シフォンケーキ」の略称として広く認識されており、語頭に提供対象等を配した「お子様シフォン」「バナナシフォン」等の用例が多数存在するとした。原告は「athlete」から「元気」「頑丈」等のイメージが想起される旨主張したが、裁判所は、標章が「運動選手向け」と認識されることと実際の需要者層は次元の異なる問題であるとして退けた。また、「Chiffon」がシフォンケーキ以外を意味する例の存在も、取引者・需要者の多くが「シフォンケーキ」と認識することを覆す反証としては不十分であるとした。 争点(2)について、本願商標から「運動選手向けのシフォンケーキ」の意味合いが生じる以上、それ以外の役務への使用は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるとして、商標法4条1項16号該当性を肯定した。