AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社Angel R)は、キャバクラ等で働く女性向けの高級ドレスを製作・販売する会社である。被告(株式会社dazzy)も同様の市場でドレスを販売する会社であり、原告の取引先でもあった。原告は、被告が原告の製作・販売する女性用ドレス6点(原告商品1〜6)を模倣したドレス(被告商品1〜6)を中国の工場に製作させて輸入し、自社のインターネット通販サイト等で販売したことが不正競争防止法2条1項3号の不正競争行為(商品形態の模倣)に当たるとして、同法4条、5条1項に基づき約3039万円の損害賠償を請求した。 【争点】 主な争点は、(1)被告各商品の形態が原告各商品の形態と実質的に同一といえるか、(2)被告各商品が原告各商品の形態に依拠して製作されたか、(3)損害額の3点である。被告は、各商品のデザインは原告商品の発売前に独自に完成していたと主張し、中国の製作委託先とのWeChat等でのやり取りを証拠として提出した。 【判旨】 裁判所は、原告商品1〜5と被告商品1〜5について、基本的形態が一致し、相違点はいずれも需要者が直ちに認識できないささいな違いにすぎないとして、形態の実質的同一性を認めた。一方、原告商品6と被告商品6については、リボンの結び目部分のたすき状の生地の幅やビジュー加工の有無など、目を引く部分における相当に大きな違いがあるとして、実質的同一性を否定した。依拠性については、被告が原告から絵型の配布を受け、一部商品を実際に仕入れた上で、繰り返し類似商品を販売していた経緯を重視し、被告が提出したデザイン画等のデジタルデータには改ざん可能性や矛盾する事情があり信用できないとして、依拠性を認定した。損害額については、不正競争防止法5条1項に基づく推定を用いつつ、競合ブランドの多さ、原被告間の販売力の格差、4〜5倍の価格差等を考慮し、被告の譲渡数量の7割について原告が販売できない事情があると認め、当該7割部分には被告販売額の10%をライセンス料相当額として算定した。弁護士費用46万円を含め、合計506万2797円の支払を命じた。