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下級裁

殺人未遂被告事件

判決データ

事件番号
令和5わ277
事件名
殺人未遂被告事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2023年11月14日
裁判官
井戸俊一新宅孝昭滝嶌秀輝

AI概要

【事案の概要】 被告人は、ホストクラブで勤務していたホストであり、令和3年7月2日に出勤した際、多量に飲酒して声が大きくなったり店内をうろついたりするなどし、上司であるBから注意を受けた。被告人はこれに反抗的な態度を示した後、近くのスーパーで包丁を購入し、店舗に戻った。被告人は包丁を隠し持ちながら店舗に戻り、Bと向かい合った際、Bに両手首をつかまれたが振り払い、振り向きざまに右手に持った包丁でBの左臀部を1回突き刺した。包丁は骨盤を貫通し深さ約5.7cmに達する刺創を生じさせ、Bに全治約1か月間の骨盤骨折等の傷害を負わせたが、殺害には至らなかった。本件は差戻審であり、差戻前第一審では殺意が否定され傷害罪で懲役2年とされたが、控訴審が事実誤認を理由に破棄差戻しした。 【争点】 主な争点は、(1)殺意の有無及び(2)責任能力の程度である。弁護人は、被告人が包丁の刺さる箇所を左臀部に限定して認識しており人を死なせる危険性の高い行為との認識はなかったとして殺意を争うとともに、飲酒の影響による心神耗弱を主張した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、殺意について、被告人が骨盤を貫通するほどの強い力で意図的にBを刺したこと、刺さった位置が5〜10cm上にずれていた場合等には死亡の危険性が高かったこと、被告人は事件直前に自ら包丁を購入しその殺傷能力を十分認識していたこと、振り向きざまに水平に刺しておりBの脇腹や腹部を含む範囲に向けて刺したといえることから、自身の行為が人を死なせる危険なものであると分かっていたと認定し、未必の殺意を認めた。弁護人がBを殺すほどの動機がないと指摘した点については、酔って気が大きくなっていた被告人が些細な注意に憤って突発的な行動に出ることはあり得るとして排斥した。 責任能力については、精神科医の証言に基づき、事件当時の被告人の血中アルコール濃度は1.384mg/mlで軽度酩酊の状態であったが、意識障害はなく現実検討能力があったと認定した。犯行前後の被告人の合理的な行動や、犯行直後に「捕まってもいいんだよ。」と発言していたことから、自己の行為の意味を理解し判断に従って行動する能力は十分に保たれていたとして、完全責任能力を認めた。 量刑については、包丁を購入してまで犯行に及んだ計画性、骨盤を貫通する強い力で刺した危険性を重視しつつ、刺したのが1回であり強い殺意に基づく犯行とはいえないことも考慮し、刃物を用いた殺人未遂罪の量刑傾向の中で中程度と位置づけた。前科前歴がないことは有利に考慮したが、被害弁償が一切なされていないこと、飲酒に対する認識の甘さが改善されていないことから真摯な反省に疑問があるとし、求刑懲役7年に対し、懲役6年を言い渡した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。