AI概要
【事案の概要】 原告は、「患者保有分項目を設けた処方箋と患者保有の医薬品を含めた投与日数算定の一方式」と題する発明について特許出願をしたが、拒絶査定を受けた。原告は拒絶査定不服審判を請求したが、特許庁は請求不成立の審決をした。本願発明は、再診時に医薬品を処方する際、前回処方された医薬品のうち患者の手元に残った医薬品(患者保有分)の項目を処方箋に設け、受診予約日との前後関係に応じた場合分け(パターン1・2)により、重複しない投与日数を算定する方法に関するものである。原告は本件審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した。 【争点】 (1) 本願発明が特許法2条1項にいう「発明」(自然法則を利用した技術的思想の創作)に該当するか(取消事由1) (2) 発明該当性のみで判断し進歩性を判断しなかった本件審決に違法があるか(取消事由2) 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。取消事由1について、処方箋の記載事項は医師法施行規則21条で規定されており、「投与日数」は人為的な取決めであるから、処方箋に「患者保有分」の項目を設けることも処方箋の記載事項を定めた人為的な取決めにすぎず、自然法則を利用したものとはいえないと判断した。また、パターン1・2の各場合分けによる算定方法も、投与期間の算定方法を定めた人為的取決めであり、自然法則を利用したものとはいえないとした。原告が主張した、投与日数と服用日数の一致が自然法則であるとの点は算定の結果を述べたにすぎず、1年365日が自然法則であるとの点も算定方法の前提にすぎないとして退けた。電子処方箋やPCプログラムに関する主張についても、本願明細書にそれらの記載・示唆がないとして排斥した。取消事由2について、本願発明が「発明」に該当しない以上、進歩性を判断するまでもなく拒絶されるべきであり、進歩性を判断しなかったことは違法ではないとした。