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最高裁

取立金請求事件

判決データ

事件番号
令和3受1620
事件名
取立金請求事件
裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
2023年11月27日
裁判種別・結果
判決・破棄自判
裁判官
三浦守草野耕一岡村和美
原審裁判所
大阪高等裁判所

AI概要

【事案の概要】 建物の根抵当権者である上告人が、物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえ、賃借人である被上告人に対し2790万円の支払を求めた取立訴訟である。本件賃貸人は被上告人に建物を賃貸し(賃料月額198万円)、その後、上告人のために極度額4億7400万円の根抵当権を設定した。被上告人は本件賃貸人に対し貸付債権(被上告人債権1)及び連帯保証債権(被上告人債権2)を有していたところ、根抵当権設定登記後、賃貸人との間で将来の賃料債権と上記各債権とを対当額で相殺する旨の合意(本件相殺合意)をした。上告人がその後に物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえたのに対し、被上告人は本件相殺合意の効力を対抗できると主張して争った。 【争点】 抵当不動産の賃借人が、抵当権者による物上代位権行使としての差押え前に、賃貸人との間で、根抵当権設定登記後に取得した債権(登記後取得債権)と将来の賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意をした場合、当該合意の効力を抵当権者に対抗できるか。 【判旨】 最高裁は、原判決を破棄し、上告人の請求を認容した。物上代位により抵当権の効力が賃料債権に及ぶことは抵当権設定登記によって公示されているとみることができるから、賃借人が登記後取得債権を自働債権とし将来賃料債権を受働債権とする相殺をもって抵当権者に対抗することはできない。このことは、差押え前に賃貸人との間であらかじめ相殺する旨を合意していた場合も同様であり(最判平成13年3月13日参照)、差押え前に登記後取得債権と将来賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意をした場合であっても異ならない。かかる合意は、将来賃料債権について相殺できる状態を作出した上でこれを差押え前に相殺することとしたものにすぎず、その効力を抵当権の効力に優先させることは抵当権者の利益を不当に害するものであり相当でない。本件では、被上告人債権1は差押え前の賃料に充当されて消滅しており、将来賃料債権と相殺される対象は登記後取得債権である被上告人債権2のみであるから、被上告人は本件相殺合意の効力を上告人に対抗できないとした。 【補足意見】 三浦守裁判官は、相殺に関する充当の合意がない本件では、改正前民法512条・489条に照らし、弁済金及び差押え前の賃料はまず被上告人債権1に充当されるため、将来賃料債権の相殺対象は被上告人債権2のみとなることを補足した。草野耕一裁判官は、結論に賛成しつつも独自の意見を述べ、物上代位優位論が国民の福利の総和を最大化する観点から正当化されるとした。すなわち、相殺優位論を採ると不動産の担保価値が分断され、効率的な資金調達と効率的な不動産利用の同時達成が妨げられるのに対し、物上代位優位論ではこれらの同時達成が可能であるとした。ただし、敷金返還請求権のような賃借人固有の債権については相殺優位論が肯定される余地があり得ることも付言した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。