著作権等侵害による損害賠償等請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和5ネ10073
- 事件名
- 著作権等侵害による損害賠償等請求控訴事件
- 裁判所
- 知的財産高等裁判所
- 裁判年月日
- 2023年11月28日
- 裁判官
- 清水響、浅井憲、勝又来未子
- 原審裁判所
- 東京地方裁判所
AI概要
【事案の概要】 ゲームソフト「第2次スーパーロボット大戦OG」等の開発に関与した控訴人(原告)が、被控訴人である株式会社トーセ及び株式会社バンダイナムコエンターテインメントに対し、①原告が製作した戦闘アニメーション動画に係る著作権(頒布権)の侵害を理由とする損害賠償請求(主位的請求)及び不当利得返還請求(予備的請求)、②原告が作成した仕様書・指示書等の成果物の無断利用を理由とする不当利得返還請求、③本件ソフトに係る著作者人格権(氏名表示権)の侵害を理由とする損害賠償請求を行った事案の控訴審である。原告は被告トーセとの間で業務委託契約を締結し、コンピューターソフトの開発業務に従事していたが、当該動画等は契約対象外の追加業務により製作されたものであると主張した。原審は原告の請求を全部棄却し、原告が控訴した。 【争点】 主な争点は、①本件業務委託契約に基づく著作権の移転の有無(争点3)、②著作者人格権の不行使の合意の有無(争点9)、③仕様書等の成果物の無断利用に係る不当利得の成否(争点5)であった。原告は、本件各動画は業務委託契約の対象外である追加業務の成果物であるから著作権移転条項の適用はなく、また成果物の引渡しもしていないと主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は控訴を棄却した。まず争点3及び9について、業務委託契約第7条第1項の「成果物」には、完成の程度いかんにかかわらず、業務遂行の結果製作され被告トーセに納入されるべき物全てが含まれると解した。成果物の引渡しについては、被告トーセが管理するデータ共有サーバへのアップロード又は貸与パソコンに格納した状態での返却のいずれかを指すと解釈した。本件各動画はコンピューターソフトの開発過程で製作されたものであり、契約対象外の業務委託があったことを認めるに足りる証拠はないとした。さらに、原告自身が「製作したデータ等をパソコンに格納して被告トーセに返却し、データ共有サーバにも保管した」旨主張しているにもかかわらず、本件各動画の引渡しをしていないと主張するのは自己矛盾であると指摘した。以上から、著作権は契約に基づき被告トーセに移転済みであり、著作者人格権も不行使の合意があったと認定した。争点5についても、本件成果物は業務委託契約に基づく業務の一環として提供されたものであり、法律上の原因のない利用とは認められないとして、全請求を棄却した原判決を維持した。