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知財

特許取消決定取消請求事件

判決データ

事件番号
令和4行ケ10109
事件名
特許取消決定取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2023年11月30日
裁判官
宮坂昌利本吉弘行岩井直幸

AI概要

【事案の概要】 原告(株式会社ダイセル)は、「防眩フィルム」に関する特許(特許第6745410号)の特許権者である。本件特許は、ヘイズ値、有機ELディスプレイの輝度分布の標準偏差及び透過像鮮明度の3つのパラメータで規定される防眩フィルムに関するものである。特許異議申立てを受けた特許庁は、訂正後の請求項1、4、5に係る特許について、明確性要件違反(特許法36条6項2号)、実施可能要件違反(同条4項1号)及びサポート要件違反(同条6項1号)を理由に取消決定をした。原告がこの決定の取消しを求めて知的財産高等裁判所に提訴した。 【争点】 (1) 明確性要件に関する判断の誤り(取消事由1):本件標準偏差の測定条件のうち、撮影距離とFナンバーが特許請求の範囲に具体的に記載されていないことが明確性要件に違反するか。 (2) 実施可能要件に関する判断の誤り(取消事由2):本件明細書の記載が、当業者が過度の試行錯誤なく本件特許発明を実施できる程度のものであるか。特に高ヘイズ・高鮮明度領域の防眩フィルムの製造方法が記載されているか。 (3) サポート要件に関する判断の誤り(取消事由3):特許請求の範囲に記載された発明が発明の詳細な説明に実質的に裏付けられているか。 【判旨】 裁判所は、取消事由1~3のいずれも理由があるとして、本件決定を取り消した。 明確性要件について、Fナンバーはコントラスト性能が最大化する中間的な値に設定すればよく、当業者は数回の撮影でその値を特定できるとした。撮影距離についても、明細書の記載に従い、輝線が映り込まない程度の距離に調整すれば被写体毎に自ずと定まるとして、第三者の利益を不当に害するほどに不明確とはいえないと判断した。 実施可能要件について、本件明細書には第1実施形態(スピノーダル分解と微粒子の凝集の両方による凹凸形成)及び第2実施形態(微粒子の凝集による凹凸形成)のいずれについても、原材料、製造工程、凹凸の急峻性を生み出す原理と具体的方法が記載されており、当業者は通常の試行錯誤の範囲内で実施品を製造できるとした。また、ヘイズ値と透過像鮮明度の間に厳格なトレードオフ関係は認められず、高ヘイズ・高鮮明度領域の製造方法が具体的に記載されていなくとも実施可能要件を欠くとはいえないとした。 サポート要件についても、明細書の記載及び技術常識に基づき、当業者は特許請求の範囲に記載された範囲で課題を解決できると認識できるとして、サポート要件を充足すると判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。