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下級裁

旅券不発給処分無効確認等請求事件

判決データ

事件番号
令和4行ウ25
事件名
旅券不発給処分無効確認等請求事件
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2023年12月6日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
林史高柴田啓介本城伶奈

AI概要

【事案の概要】 原告は、日本国籍を有する父の子として日本で出生し日本国籍を取得したが、2004年(平成16年)頃、自己の志望により米国国籍を取得した。その後、2017年(平成29年)12月に外務大臣に対し日本の旅券発給を申請したところ、外務大臣は、国籍法11条1項(「日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本国籍を失う」)により日本国籍を喪失していることを理由として、2018年(平成30年)8月に旅券不発給処分をした。なお、原告は米国の弁護士資格を有し、国籍法関連の法律相談や国籍法改正運動にも関わっていた人物である。 本件は、原告が、国籍法11条1項は憲法の各規定(憲法10条、22条2項、13条、98条2項、14条1項)に反し無効であるとして、①旅券不発給処分の無効確認、②日本国籍を有することの確認、③国家賠償法1条1項に基づく慰謝料等22万円(3億円の一部請求)の支払を求めた事案である。 【争点】 主な争点は、(1)国籍法11条1項が憲法10条・22条2項・13条・98条2項に反するか(争点1-1)、(2)同項が憲法14条1項(平等原則)に反するか(争点1-2)、(3)旅券不発給処分の効力、(4)立法不作為の国家賠償法上の違法性、(5)旅券不発給処分の国家賠償法上の違法性、(6)国籍法11条1項の周知徹底義務違反の有無である。 【判旨】 裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。 争点1-1について、裁判所は、憲法10条は国籍の得喪要件の定め方を立法府の裁量に委ねる趣旨であり、自己の志望により外国国籍を取得した日本国民が日本国籍を失わないことは憲法上具体的権利として保障されていないとした。もっとも、日本国籍はアイデンティティの一要素であり、その喪失に際してはその者の意思をできる限り尊重すべきことが憲法13条の精神に照らし考慮要因となり得るとした。その上で、国籍法11条1項の立法目的(①国籍変更の自由の保障、②重国籍の発生防止)はいずれも合理的であり、また、同項は外国国籍取得前に日本国籍と外国国籍の選択機会を与えるものであるから手段としても合理的であるとして、立法裁量の範囲内と判断した。重国籍容認国が世界の約4分の3に増加した国際情勢の変化を踏まえ、一旦重国籍を認めた上で国籍選択させる手段も「傾聴に値する」としつつも、なお合憲とした。 争点1-2について、外国国籍の当然取得・生来的取得の場合と自己の志望による取得の場合とで重国籍解消方法に区別を設けることは、重国籍の発生原因に応じた合理的な手段であり、憲法14条1項に違反しないとした。 国家賠償請求についても、国籍法11条1項が違憲でない以上、立法不作為の違法は認められず、旅券不発給処分も適法であるとした。周知徹底義務違反の主張に対しては、原告が米国弁護士として国籍法関連の活動をしていた経緯に照らし、仮に周知徹底がなされていても原告が米国国籍を取得していた可能性は否定し難いとして、因果関係を否定した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。